イメージ画像

手足が突然動かなくなる?ギランバレー症候群について知りましょう。




ギランバレー症候群とは?

care for beautiful woman legs

ギランバレー症候群という病気をご存知でしょうか?

ギランバレー症候群は、
日本で特定疾患に指定されている難病で、
筋肉を動かす運動神経障害のため、
急に手や足に力が入らなくなる病気です。

ギランバレー症候群は10万人に1~2人と
それほど発症率は高くない病気ですが、
発症すると両手両足に力が入らなくなり、
動かせなくなりますので、寝たきりの生活になります。

また、手足の先に痺れを伴うこともあります。

症状が重いと、手足の筋肉だけでなく、
顔面の筋肉が動かせなくなったり、呂律が回らない、
食事が飲み込みにくくなることもありますし、
場合によっては呼吸のための筋肉が動かなくなり、
人工呼吸器を使用しなければいけないこともあるんです。

ギランバレー症候群は、
男性が発症することがやや多いものの、
発症好発年齢は特になく、
子どもでも高齢者でも発症する可能性があります。

ギランバレー症候群の原因

130531-5

ギランバレー症候群は自己免疫疾患で、
何らかの原因で自分を守るための免疫機能に異常が生じて、
自分の神経を攻撃してしまうため起こる病気
と考えられています。

免疫機能に異常が生じるきっかけは、
すべてが解明されているわけではありませんが、
60%以上でギランバレー症候群を発症する前に
何らかの感染症にかかっていることがわかっています。

その中でも、
感染とギランバレー症候群発症の関係がはっきりしているのは、
カンピロバクターやマイコプラズマ、
EBウイルス、サイトメガロウイルスです。

これらの病原体に感染すると、わずかな確率ではありますが、
ギランバレー症候群を発症する可能性があるんです。

これらのウイルスに感染すると、
風邪や下痢などの症状を引き起こします。

「なんか風邪っぽいなぁ」とか
「最近お腹の調子が悪いなぁ」と思ってると、
急に手足の筋肉が動かなくなり、
ギランバレー症候群を発症するかもしれません。

ギランバレー症候群の治療や予後は?

150315-2

ギランバレー症候群は
発症から2~4週間後に症状のピークを迎えて、
その後は自然回復していくことがほとんどです。

3ヶ月から1年で約80%の人が回復します。

基本的には自然回復しますので、
食事が取れなくなったら胃へチューブを入れて
流動食で栄養補給をしたり、
呼吸ができなくなったら人工呼吸器をつけるなど、
症状に合わせての治療を行います。

また、発症してから早い段階で血漿交換や
免疫グロブリンの大量投与を行うと、
ピーク時の症状を軽くすることができたり、
回復が早くなりますが、
ギランバレー症候群は診断が難しく、
治療開始が遅れてしまうことが多いんです。

予後についてですが、厚生労働省の研究調査によると、
歩行できない後遺症が残ったのは10%、
死亡は1%未満となっています。

この数字だけをみると、
予後は比較的良いのですが、突然手足が動かなくなる、
呼吸ができなくなる可能性もあるというのは大きな恐怖です。

1~2週間前に風邪を引いたり下痢をしていて、
手足の神経に少しでも異変を感じたら、
すぐに神経内科を受診して検査を受けるようにしましょう。





タグ



2015年7月6日 | カテゴリー:感染症 手・足

あわせて読みたい関連記事