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強い痒みが特徴の疥癬。疥癬の治療法と対策を知っておきましょう




疥癬とは?

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疥癬という病気を聞いたことがあるでしょうか?

疥癬は「ヒゼンダニ(疥癬虫)」という
とても小さなダニが皮膚に寄生して起こる病気です。

ヒゼンダニは体調0.2~0.4mmと極めて小さく、
肉眼ではほとんど確認することができないんです。

疥癬は衛生状況が悪く、
栄養状態が良好でなかった昭和初期に流行しましたが、
栄養状態も衛生状況も改善した現代では
疥癬の発生件数は少なくなっています。

ただ、発生件数はゼロではありません。

疥癬は皮膚と皮膚が接触することで感染するので、
以前は性感染症の一種とされていましたが、
現代では介護施設で介護行為を通して感染が広がることが多く、
介護施設内での集団発生が問題になっています。

疥癬の症状

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疥癬の主症状は痒みです。

ヒゼンダニに感染してから1~2ヶ月は特に症状が出ず、
無症状期間があります。

無症状期間が過ぎると、
腋窩部周囲や腹部、陰部にプツプツとした皮疹が現れ、
強い痒みが生じます。

この痒みは、夜に強くなるのが特徴です。

また、手や指に疥癬トンネルと呼ばれる
細長い皮疹が現れます。

また、高齢者や免疫力が低下している人は
角化型疥癬になることがあります。

角化型疥癬は100~200万匹、
多い時は500万匹のヒゼンダニが体に規制し、
全身が赤くなったり、皮膚がザラザラして角化し、
さらに感染力が強くなるため、隔離する必要があります。

疥癬の治療法と対策

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疥癬になったら、
感染が拡大する前にしっかり治療を行う必要があります。

疥癬の治療の第一選択は外用薬です。

イオウ外用薬などの外用薬を全身に塗布して
24時間後に洗い流すことを5日間続けたり、
オイラックスを1~2週間毎日全身に塗ることで
疥癬を治療することができます。

また、内服薬でも疥癬の治療は可能です。

イベルメクチン(ストロメクトール)を1回(または2回)
服用するだけで効果があることが確認されていますので、
重症の疥癬や角化型疥癬は
外用薬と内服薬を併用して治療を行います。

また、入浴時に全身を隅々まで丁寧に洗うようにすること、
タオルや寝具は共有せずに専用のものを使うこと、
同室内で布団を並べないことなどの注意が必要です。

また患者さんに触れる場合は、
前後に必ず手洗いをしましょう。

そして、角化型疥癬の場合は
剥がれ落ちたカサブタからも感染するほど感染力が強いので、
個室に隔離し、患者さんと接する時は手袋やガウンを着用すること、
洗濯物は50℃以上のお湯に10分以上つけてから洗うこと
などが必要です。

疥癬は清潔にしていても感染する可能性がある病気です。

特に、介護施設では感染リスクが高いですので、
家族にデイサービスに通う高齢者がいる場合は、
感染が広がらないように
周囲がきちんと気をつけるようにしましょう。





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2015年8月2日 | カテゴリー:皮膚

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