不妊の原因の半数は男性にあり!不妊治療は、夫婦一緒に始めましょう。
不妊の原因は、女性側だけではない!
近年、35歳以上の高齢出産を希望する女性が
増えていることを受けて、
「卵子の老化」が話題になっています。
卵子は、生まれたときから女性の体内にあり、
新たに作り出されることはありません。
そのため、少しずつ卵子が老化していき、
35歳以上になると、卵子の老化の影響が顕著に現れ始め、
排卵されにくくなることで妊娠しにくくなったり、
染色体異常の確率が上がることで、
流産しやすくなったり、
障害を持つ子供が生まれやすくなるんです。
現代の日本では、7組に1組のカップルが不妊に悩んでいる
と言われていますが、一般的に不妊の原因は、
女性側にあると思われがちです。
特に、高齢カップルの場合は、
周囲から「卵子の老化」が不妊の原因と
決め付けられることも少なくありません。
確かに、卵子の老化は、不妊の原因のひとつですが、
不妊の原因は卵子の老化だけではありませんし、
女性側だけに問題があるわけでもないんです。
不妊の原因の半数は、男性側にあり
WHOの不妊原因調査によると、
不妊の原因が男性にのみあるケースは24%、
女性のみは41%、男女両方にあるケースは24%、
原因不明が11%となっています。
つまり、男性が原因の不妊は48%、
女性が原因の不妊は65%ですので、
不妊原因の約半数は男性側にあるということです。
女性側の不妊の理由には、
上記で述べた「卵子の老化」が最も多いのですが、
それ以外にも卵管がつまる卵管障害や子宮内膜症、
着床障害などがあります。
男性側の不妊の理由は、乏精子症や無精子症、
精子無力症などの造精機能障害や精巣の周りの静脈に
瘤ができる精索静脈瘤、勃起不全(ED)などがあります。
このように、不妊の原因は女性側にだけ
あるわけではないのです。
でも、不妊治療は女性だけが受けているという夫婦も
多いのが現実です。
そのため、不妊治療をする場合は、
夫婦一緒に始める必要があります。
不妊の検査と治療法
不妊治療を始める場合、
まず不妊の原因を検査しなければいけません。
検査内容は、男女によって異なってきます。
女性の場合は、内診やエコー検査、子宮鏡検査、
ホルモン検査、子宮卵管造影検査などを行い、
男性は精巣の視触診、精液検査、ホルモン検査、
エコー検査などを行います。
次に治療法ですが、女性側に原因がある場合は、
タイミング療法、人工授精、体外受精、顕微授精と
徐々にステップアップしていきます。
これらの治療法は、
聞いたことがあるという人も多いでしょう。
それに対し、男性側に不妊の原因がある場合の治療法は、
あまり知られていませんよね。
男性側の原因が精索静脈瘤の場合は、
日帰り手術で治療可能です。
また、精子の数や動きを改善するために、
ホルモン薬やビタミン剤、
血流改善薬の投与などを行うこともあります。
不妊治療は、どうしても
女性側の身体的・精神的負担が大きくなります。
不妊治療を成功させるためにも、
女性だけでなく男性も積極的に不妊検査や治療を
受けるようにしましょう。