2030年にはがん患者が1.5倍に急増!最新のがん研究とがんの予防法をご紹介します。
2030年にがん患者が1.5倍に
2月4日は、「世界がんデー(World Cancer Day)」でした。
国連は、2012年には世界のがん患者は1400万人でしたが、
2030年には1.5倍の2160万人にも達し、
がんが原因の死亡者は820万人から1300万人に
増えると予測しています。
WHOによると、現在世界で最も多い死因は心疾患ですが、
2030年にはがんが心疾患を抜いて
死因の1位になる見込みです。
がん患者急増の原因として、
世界で高齢化が進むことと発展途上国などで
がん発症のリスクを高める生活習慣を持つ人が
増えることが挙げられます。
世界のがん患者の罹患率を人口比で見てみると、
北アメリカやヨーロッパ、日本や韓国、オーストラリア、
ニュージーランドなど高所得の先進国が多い
という現状があります。
先進国での生活習慣が
がん発症のリスクを高めると言えるのです。
今後は、中国やインドなど
人口を多く抱える新興国の生活習慣が、
先進国である欧米化していくことで、
がん患者が急増すると考えられます。
がん細胞を正常な細胞に戻すことが可能に!
2014年1月25日に、
鳥取大学医学部の三浦准教授らの研究グループは、
クローニングしたRNA遺伝子に関連して発言変動する
単一の「マイクロRNA」を
悪性度の高い未分化がんに導入したところ、
容易に悪性度を喪失させることができ、
正常幹細胞へ形質転換できると発表しました。
ちょっと難しい内容ですので、簡単にご説明します。
未分化がん細胞とは、まだ特定の器官に分化する前の
細胞ががん化したものです。
細胞分裂のスピードが速いため、がんの進行速度も速く、
発見が遅れることも多いという特徴があります。
さらに、ほかの臓器に転移しやすいため、
最も悪性度が高いと言われています。
この未分化がん細胞は、一度がん化してしまうと、
元の正常細胞に戻すことは不可能と考えられてきましたが、
今回の鳥取大学の研究でがん細胞を
正常な細胞に戻す方法を発見したのです。
この方法を応用させることで、
抗がん剤が効かないがんの治療ができるようになりますし、
がん自体を根絶できるようになる可能性が
あるとされています。
このようながん医療の研究が進めば、
国連が発表した「2030年にはがん患者が1.5倍」
という予測を覆すことができるかもしれませんね。
がんは生活習慣病
がん医療の研究は日々進んでいますが、
現時点でがんを発症しないためには、
有効な予防法を実践することが最も大切です。
がんが生活習慣病ということをご存知ですか?
心疾患や脳卒中に比べると、
がんが生活習慣病と認識している人の割合は
低いように思えます。
でも、がんは生活習慣病の代表格であり、
生活習慣を改めれば、
がん発症のリスクを低めることができるんです。
世界がんデーで発表された資料では、
「健康的な食事、運動の習慣化、禁煙、節酒といった
生活習慣の改善により、
がんによる死亡の3分の1を防ぐことができる」としています。
また、がん予防と同じくらい大切なのは、がん検診です。
定期的にがん検診を受けることで、
がんの早期発見・早期治療につながります。
現在は、がんは早期に治療を始めれば、怖い病気ではなく、
完治可能な病気になっています。
がんを予防するために健康的な生活を送り、
定期的にがん検診を受けて、
自分でできるがん対策を行っていきましょう。