O型はがんになりにくい?血液型によってかかりやすい病気があるって知っていますか?
O型はがんになりにくい?
限局的前立腺がんは、前立腺全摘出術によって
がん組織を取り除く治療を行うことが一般的ですが、
手術によってがん組織を取り除いても、
そのうちの約3分の1は再発してしまうという現状があります。
しかし、東京医科大学の研究によって、
O型の人は前立腺がんを再発しにくいことがわかりました。
血液型ががんの再発に関係しているなんて意外ですよね。
東京医科大学の研究チームが、
前立腺摘出手術を受けた患者555人を対象に
手術後の経過を平均52ヶ月間観察したところ、
血液型がO型の人はA型の人に比べて前立腺がん再発の可能性が
約35%も低いことがわかりました。
研究チームの大野准教授は、
「前立腺がんが再発する確立が血液型によって異なる可能性が
示されたのは今回が初めて。
発見の検証にはさらなる調査が必要だが、
結果が確認されれば、
医療現場に大きな変化がもたらされるだろう。」としています。
また、2009年にはアメリカ国立がん研究所が
A型、B型、AB型の血液型の人は、
O型の人に比べて膵臓がんになりやすいという研究結果を
発表しています。
つまり、O型の人は膵臓がんになりにくいということです。
O型の人を1とすると、
A型は1.3倍、B型は1.7倍、AB型は1.5倍も
膵臓がんになりやすいとのことです。
この2つの研究結果から、O型の人は「がんに強い」、
「がんになりにくい」のかもしれませんね。
O型がなりやすい・なりにくい病気
O型の人がなりにくい病気は、
前立腺がんや膵臓がんだけではありません。
アメリカのハーバード大学医学部関連機関の発表では
血栓症になりにくいことがわかっていますし、
南米や東南アジアなど赤道直下の先住民に
O型が多いことから、O型はマラリアに強いと言われています。
ただ、スウェーデンのグループの研究によると、
O型は消化管潰瘍になりやすい傾向にあるようです。
O型の人は、それ以外の血液型の人に比べて
胃潰瘍で1.1~1.3倍、十二指腸潰瘍で1.18~1.33倍
なりやすいとの報告があります。
なぜ血液型が病気に関係しているのか
なぜ、血液型によってかかりやすい病気、
かかりにくい病気があるのかは、
まだすべて解明されていないのが現状ですが、
血液型によって感染症(マラリアなど)にかかりやすい、
かかりにくいかは血液型糖鎖が関係していると
推測されています。
血液型は、赤血球の表面にある「糖鎖」と呼ばれる
単糖類の種類によって分けられています。
感染症の原因であるウイルスや細菌が、
どの血液型糖鎖と結合しやすいかによって、
感染症にかかりやすい血液型、
かかりにくい血液型が出てくると考えられているのです。
今後、感染症だけでなく血液型によってかかりやすい病気、
かかりにくい病気の種類とその原因・理由が判明すれば、
血液型によって治療法が変わるということが
出てくるかもしれませんね。