虫垂炎で死ぬこともある?実は怖い虫垂炎について知りましょう。
虫垂炎の原因は?
虫垂炎は、激しい腹痛が症状として現れる病気で、
いわゆる「盲腸」と呼ばれる病気です。
大腸の入り口(小腸との境目)には盲腸がありますが、
その盲腸から出ている細長い器官が虫垂です。
その虫垂に炎症が起きると、虫垂炎になります。
虫垂炎の原因は、すべてが明らかにはなっていませんが、
何らかの原因で虫垂周囲の血行が悪くなり、
細菌感染を起こして炎症症状が出るんです。
そして、「何らかの原因」は多岐にわたっていて、
異物や糞石、腫瘍、ストレス、過労、
腫瘍などが考えられています。
そして、虫垂炎は秋口や春先など
季節の変わり目に多いこともわかっています。
季節の変わり目は、体調を崩しやすく、
免疫力が下がるからかもしれませんね。
虫垂炎はどんな症状が出る?
虫垂炎の症状と言えば、腹痛ですよね。
虫垂炎の初期症状は、みぞおち付近が痛くなり、
食欲不振や吐き気、発熱などの症状が現れて、
痛みが右下腹部へと移動していきます。
虫垂炎の痛みの特徴は、
反動痛(反跳痛)があることです。
反動痛とは、痛い部分を押さえて、
その手を離した時に痛みが強くなるものです。
「みぞおちの痛みが右下腹部に移動した」、
「右下腹部に反動痛がある」という場合は、
虫垂炎を疑って、
早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。
虫垂炎を放っておくとどうなる?
「単なる腹痛。虫垂炎でも、
最近では薬を飲めば治るんでしょ?」と思って、
痛みを我慢して医療機関へ行くのが遅れた場合、
「単なる腹痛、ただの虫垂炎」とは
言えない状態になります。
虫垂の炎症が悪化して、腹膜にまで広がり、
腹膜炎を併発することがあるんです。
腹膜炎を併発すると、敗血症性ショックを起こし、
死に至るリスクが高くなります。
薬の内服で治るのは、虫垂炎でも軽症の場合だけです。
中等症以上では手術が必要になりますので、
虫垂炎の疑いがある場合は、
できるだけ早く受診しましょう。
また、最近では医療技術が進歩して、
おへその近くに小さな穴を開けるだけの
腹腔鏡手術もできるようになっていて、
体への負担が少なくなり、
2~3日の入院で退院できるようになっています。
子供は特に要注意!
虫垂炎は子供でもなる病気です。
小さなお子さんの場合、反動痛があるかや
右下腹部に痛みが移動したかどうかを
きちんと説明できませんよね。
それに、子供はこのような虫垂炎の典型的な症状が
出ないことも珍しくありません。
さらに、子供は大人よりも進行が早く、
7歳以下の虫垂炎の約50%が発見時には
腹膜炎を併発していたというデータもあります。
お子さんが腹痛を訴えた場合は注意したいですね。
虫垂炎は重大な病気ではない
という認識があるかもしれませんが、
放っておけば命に関わる病気です。
虫垂炎を疑うような症状がある場合は、
すぐに医療機関を受診してください。