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男性不妊が見過ごされる理由は「女性側に原因がある」という偏見




不妊治療助成の年齢制限に賛否両論

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少子化対策の一環である不妊治療への助成事業に、年齢制限を設ける
べきか否かという議論が高まっています。日本では6組に1組の夫婦が
不妊に悩んでいると言われています。

子供を切望する夫婦にとって不妊治療は最後の砦であり、健康保険も
適用されない中、助成が中止されるのは大きな痛手です。
しかし、治療が長期化し、女性の年齢が高くなっていくケースは少なく
ありません。

女性の高齢化と共に妊娠・出産につながる確率は目に見えて下降し、
流産の割合がはね上がってきます。
高齢出産による母体への負担増や、胎児の先天異常の発症率が高まると
いったリスクも問題視されています。

5年以上不妊治療を続けている夫婦は全体の15%も

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不妊治療は、カウンセリングや受胎のタイミング指導から人工授精まで
幅広く段階があり、1つの治療法を続ける目安は約半年とされます。
初期段階で行われるタイミング指導では、女性の排卵日を把握し、
そのタイミングに合わせて夫婦生活を営むよう指導が行われます。

排卵が正しく起きていなかったり排卵状態が良くない場合には、薬を
使って排卵を促す排卵誘発という手法がとられます。

ここまでの段階でも、本来であれば男性側の検査を行う必要があります。
しかし、実際には女性側の治療が功を奏さずに半年、1年と経過して
から取り組むことも多く、ここでかなりの年月と費用を浪費して
しまっているのかもしれません。

不妊の約半数は男性側に原因が

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妊娠する側でない男性の方に不妊の原因があるとは、実感しづらい
かもしれません。

男性不妊は、EDや射精障害といった明確なものもありますが、大半は
自覚症状がなく普段の生活の中では判別できない症状ばかりです。
ほとんどが、精子の数が少ない、精子の運動率が低い、精子に奇形が
あるといった、「造精機能障害」であり、原因がわかっていればそれ相応の
治療法を選択することができるはずなのです。

しかし、不妊の原因は女性側にあるという思い込みや、男性が
産婦人科などに通院する抵抗感、そして、男性不妊の専門医が非常に
少ないということが、男性不妊治療の垣根となってしまっています。

男性不妊は生活改善で解消されることも

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男性不妊の原因には、ストレスや肥満、過度のアルコール摂取などが
関わっていることもあり、その場合はそれらを改善していくことで
自然受胎が望めるかもしれません。
一日も早い妊娠のためには、固定観念にとらわれず、常に夫婦一組で
不妊治療に取り組む必要があるのですね。





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2013年5月23日 | カテゴリー:不妊症 医療費

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