どんどん進化するがん検査。がん検査の最新事情を知りましょう。
胃がん検査は内視鏡も有効
国立がん研究センターは、ホームページで
2014年度版の胃がん検診ガイドラインを公表しました。
それによると、胃がんの検診には
従来はバリウムを飲むX線検査のみが推奨されていましたが、
内視鏡を用いた検診により、
胃がんの死亡率が下がる効果が確認できたため、
胃がんの検診に内視鏡検査が推奨されるようになったんです。
また、胃がん検診は50歳以上が望ましく、
受ける間隔は2~3年毎でも良いとしています。
従来はX線検査で異常が見つかったら、
内視鏡検査で細胞診という流れでしたが、
胃がん検診に内視鏡検査の有効性が認められましたので、
今後は最初から内視鏡検査を選択するというのも
ありかもしれませんね。
PET検査
がんの検査というと、X線や内視鏡検査が一般的ですが、
近年新しい検査方法がどんどん登場しています。
その1つがPET検査です。
PET検査とは、
陽電子放射断層撮影検査のことで放射線を出す検査薬を注射し、
身体の断層を撮影して、
がんの病巣がないかどうかをチェックする検査です。
このPET検査は、頭頚部がんや食道がん、膵臓がん、卵巣がん、
子宮体がん、悪性リンパ腫などのがんを発見でき、
非常に精度が高いというメリットがありますが、
検診でPET検査を受けると全額自己負担になりますので、
検査費用は高額になります。
アミノ酸検査
また、アミノ酸のバランスを利用したがん検査も確立されています。
これは、健康な人のアミノ酸の濃度は一定に保たれていますが、
病気になると病気の種類によってアミノ酸の濃度バランスが
変化する性質を利用したがん検査です。
この検査は約5mlの採血で胃がん、肺がん、
大腸がん、前立腺がん(女性は乳がん、子宮がん、卵巣がん)
の検査ができますので、手間も痛みもなく、
しかもたった5分で検査結果がわかります。
がん検診を受けるのはちょっと面倒だと思っていた人には、
オススメの検査方法かもしれません。
新たな血液検査も開発中
PET検査やアミノ酸検査など、
精度が高くしかも簡単にできるがん検査方法が
ドンドン開発されていますが、
国立がん研究センターが中心となって、
新たながん検査のための血液検査方法が開発中です。
上記のアミノ酸検査は、
採血をしてアミノ酸の濃度バランスの変化を利用した検査方法ですが、
開発中の検査方法はがんになると
マイクロRNAという物質の種類や量が変化することを
利用した方法です。
この検査方法が確立されれば、胃がんや食道がん、肝臓がん、
すい臓がん、肺がんなど13種類のがんを検査できるとのことです。
近い将来は、部位ごとにX線検査や内視鏡検査をする必要はなく、
5~10mlの採血をするだけで、
全身のがん検査ができるようになるかもしれませんね。