海外旅行で下痢に。海外旅行中にかかる病気で最も多い「旅行者下痢症」について知りましょう。
旅行者下痢症って何?
海外旅行に行くと、いつも下痢になってしまう
という人はいませんか?
海外旅行中にかかる病気で最も多いのが下痢なんです。
海外旅行中に起こる下痢を旅行者下痢症と呼んでいます。
旅行者下痢症になった人のほとんどが1週間以内に回復し、
旅行日程にも大きな影響を及ぼしませんが、
10%の人は1週間以上下痢が続き、
2%の人は1ヶ月以上も続きます。
旅行者下痢症は海外旅行中に下痢が起こった
すべてのケースを指しますので、原因は様々です。
旅行者下痢症に多い原因をご紹介します。
旅行者下痢症の原因は水や食事の違い
旅行者下痢症の原因の中で多いのは、
水や食事の違いによる下痢です。
日本は水道水をそのまま飲むことができますが、
そういう国は珍しいんです。
ほとんどの国で、水道水をそのまま飲むことはできません。
そういう水を不用意に飲んでしまったり、
歯磨きやシャワーの際に少し口に入ってしまうだけでも、
下痢を起こしてしまうことがあります。
また、日本の水は軟水ですが、
海外ではマグネシウムやカルシウムを豊富に含む
硬水が主流です。
マグネシウムは便秘薬にも使われるように、
便を柔らかくする作用がありますので、
硬水を飲むと下痢をしやすくなるんです。
また、食事の違いでも下痢を起こします。
油を多く使ったものや唐辛子を使った辛い物、
スパイスを多用したものなどは、
食べなれていないと胃腸に負担をかけてしまいますので、
食べたものをきちんと消化できなくなって
下痢を起こすんです。
感染症にも要注意
旅行者下痢症の約20%を占めるのが感染症による下痢です。
病原体が体内に入ることで下痢を起こしてしまいます。
旅行者下痢症の原因となる病原体の中で多いのは、
病原性大腸菌やカンピロバクターなどです。
つまり、食中毒ですね。
また、これ以外にも日本では珍しい赤痢やアメーバ赤痢、
コレラ、腸チフスなども下痢を引き起こす病原体です。
また、海外旅行中は時差や海外でのストレス、
疲労などで免疫力が低下し、
感染症にかかりやすい状態になりますので、
いつも以上に注意しなければいけません。
海外で下痢になったら空港で申告を
海外で下痢になり、
旅行を続けられないほどのひどい症状になったら、
迷わず現地の病院を受診しましょう。
国や地域にもよりますが、赤痢やコレラ、
腸チフスなどは日本よりも海外のほうが検査が迅速で、
診断が早いこともあります。
現地の病院に行くほどではない場合は、
空港の検疫所で必ず申告するようにしましょう。
また、帰国後に発症した場合は医療機関を受診する時に
必ず旅行に行っていた期間や国などを申告してください。
申告をすることで、
素早い診断と迅速で適切な治療につながりますし、
もし重大な感染症だった場合は、
感染の拡大を防ぐことができます。
旅行者感染症を予防するためには、
食事や水の衛生状態に気を使うことと旅行前に
体調を整えておくことが大切です。
旅行者下痢症を予防して、楽しく海外旅行をしましょう!