腸内細菌は認知機能や難病にも関与?腸内細菌のバランスを改善する方法を知りましょう。
腸内細菌は認知機能にも関係している?
腸内細菌の中の善玉菌を増やして、腸内環境を整えると、
便秘を解消できるだけでなく、免疫力をアップさせて、
感染症にかかりにくくなったり、
アレルギー症状を緩和させることができることは、
皆さんご存知だと思います。
ここ数年で注目を集め、
健康にさまざまな側面から関与していることが
わかってきた腸内細菌ですが、
アメリカのオレゴン大学の研究で腸内細菌が
認知機能にも関係している可能性がわかりました。
研究グループは、マウスに4週間高脂質、
あるいは高糖質食を食べさせたところ、
マウスの認知機能や身体パフォーマンスが
低下することがわかったんです。
このマウスの腸内細菌のバランスを調べたところ、
通常の食生活を送っているマウスに比べて、
クロストリジウム綱の細菌が増加し、
バクテロイデス綱の細菌が減少し、
バランスが乱れていたそうです。
不健康な食事で腸内細菌のバランスが崩れ、
それが認知機能、つまり脳の機能にまで
影響を及ぼしていたのは驚くべきことですよね。
腸内細菌は難病にも関係している?
腸内細菌が関係しているのは、
認知機能や身体パフォーマンスだけではありません。
多発性硬化症にも影響を与えている可能性があるんです。
多発性硬化症とは四肢の痺れや麻痺、運動障害、
視力障害などが症状に現れる病気で、
難病に指定されています。
国立精神・神経医療研究センターの研究チームが、
多発性硬化症の患者の腸内細菌のバランスを
詳細に分析したところ、
健康な人と比べて腸内細菌のバランスが崩れて
異常が生じていることがわかりました。
日本での多発性硬化症は過去30年間で
患者数が約1000人から2万人弱まで大幅に増加しています。
この患者数の大幅増加は、
日本人の食生活が変化していることが
関係しているのではないかと推測されてきましたが、
今回の研究結果は腸内細菌のバランスが
崩れていることがわかりましたので、
その推測を裏付けるものとなっています。
腸内細菌のバランスを改善する方法
腸内細菌のバランスを崩すと、
便秘や免疫力の低下だけでなく、認知機能が低下したり、
多発性硬化症を発症するリスクが上がる可能性があります。
では、腸内細菌のバランスを改善し、
健康を保つためにはどうしたら良いのでしょう?
多発性硬化症の患者数が増えているのは、
日本人の食生活が変化したためと考えられています。
つまり、腸内細菌のバランスを保つためには、
昔ながらの伝統的な和食を中心にした食事を
取ることが大切なのです。
和食には食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は善玉菌を増やして
悪玉菌を減らしてくれる作用がありますので、
腸内環境を整えるには欠かせないものです。
また、伝統的な和食には植物性の発酵食品を
たくさん使っていますよね。
ぬか漬けや柴漬け、しょうゆ、味噌、甘酒、納豆などには、
植物性の乳酸菌が豊富に含まれています。
植物性乳酸菌は、動物性乳酸菌よりも
善玉菌が生きたまま腸に届く割合が多いですので、
腸内環境を整えるには最適な食材なんです。
腸内細菌のバランスを改善し、
腸内環境を整えて健康を保つためには、
伝統的な和食中心の食生活を心がけるようにしましょう。