不登校は病気が原因だった?小児慢性疲労症候群について知りましょう。
慢性疲労症候群は子どもでも発症する
慢性疲労症候群という病気を聞いたことがあるでしょうか?
慢性疲労症候群とは、日常生活を送るのが困難になるほど
重度の疲労感が長期間続く状態で、
現時点では原因が解明されていません。
この慢性疲労症候群という病気の認識は
少しずつ広がってきていますが、
大人が発症する病気というイメージが強いと思います。
でも、実は大人だけでなく子どもも発症する病気なんです。
小児慢性疲労症候群は、
脳機能の疲労や低下による自律神経のバランスの乱れや
睡眠・覚醒の生活リズムの乱れ、
うつ状態などが混在する症状が現れます。
自律神経のバランスが乱れれば、
呼吸や循環、消化、吸収、代謝など
生命維持の基本部分に影響が出ますし、
生活リズムが乱れれば内分泌機能の異常が起こってきます。
この小児慢性疲労症候群が原因で不登校になることもありますし、
重症化すると社会生活が営めなくなり、
「生きているのがやっと」という状態になってしまうのです。
小児慢性疲労症候群の原因は?
小児慢性疲労症候群の原因はまだ解明されていません。
ただ、普段はまじめで頑張っている子どもが、
小児慢性疲労症候群を発症しやすい傾向にあることが
わかっています。
学校生活で少し無理をして頑張っている子供がさらに
精神的なプレッシャーにさらされたとき、
小児慢性疲労症候群を誘発しやすくなります。
また、いじめに遭っている子どもが不安や緊張を抱え、
過度なストレスを感じていることでも、
小児慢性疲労症候群のリスクは高まります。
また、理化学研究所
ライフサイエンス技術基盤研究センターの研究では、
小児慢性疲労症候群の子供は、
2つのことを同時に行うとき、左脳だけではなく右脳も使っていて、
脳を過剰に働かせていることがわかりました。
小児慢性疲労症候群の子供は、
健康な子どもよりも脳を過剰に働かせているため、
疲れやすいのではないかと結論付けています。
ただ、なぜ過剰に脳を働かせるのかはわかっていませんので、
今後も研究を続け、
原因を完全に解明することが期待されています。
小児慢性疲労症候群が疑われたら?
自分の子どもが、小児慢性疲労症候群かもしれない場合は、
まずストレスを抱えすぎていないかを確認してあげて、
ストレスにさらされている場合は、
そのストレスを取り去るように協力してあげてください。
また、小児慢性疲労症候群は
ただ単に怠けていると誤解されがちですが、
怠けているわけではなく病気の症状であることを
理解してあげましょう。
そして、できるだけ早く医療機関を受診し、
日常生活では規則正しい生活を送り、
栄養のバランスの良い食事を食べるように意識すると良いでしょう。