職業を変更することも!?職業性ジストニアについて知りましょう
職業性ジストニアとは?
職業性ジストニアという病気を知っていますか?
この職業性ジストニアという病気を知るためには、
まずジストニアという病気を知らなければいけません。
ジストニアとは中枢神経系に障害が起こり、
姿勢に異常が起こったり、身体の一部がねじれたり、
硬直や痙攣が起こる病気です。
日本にはジストニアの患者さんが
およそ2万人いるとされています。
そして、職業性ジストニアとは、
仕事上よく使う身体の部位に、
このジストニアの症状が出てしまうことを言います。
例えば、漫画家は漫画を描こうとした時に、
手が痙攣して書けなくなってしまう。
美容師はハサミを持って髪を切ろうとしたら、
手が痙攣してしまう。
営業職の人は、顧客に営業トークをしようとしたら、
口の周囲の筋肉が硬直して
動かなくなってしまうなどですね。
職業性ジストニアは、
その仕事で最も大切な身体の一部が
動かなくなってしまうのです。
しかも、仕事をしていない時は
ジストニアの症状が出ていないのに、
いざ仕事をしようとすると
ジストニアの症状が出てしまうのです。
特に、漫画家や画家、音楽家などの
芸術家タイプの職業の人に
この職業性ジストニアは発症しやすく、
演奏家の100人に1人はこの職業性ジストニアを
発症しているのではないかと推測されています。
職業性ジストニアの原因は?
この職業性ジストニアの原因は、
まだ解明されていません。
ただ、特定部位の過剰な使用による負荷が
関係しているのではないかと考えられているんです。
特定の部位を長時間動かし続けるために、
その部位に負担がかかって、ねじれや硬直、
痙攣などの症状が起こるのですね。
職業性ジストニアは脳神経系の疾患なのですが、
精神疾患と誤解されることがあります。
仕事をしようとすると、
その部分にジストニアの症状が出るために、
ヒステリー症状の一部ではないかと思われるのです。
確かに、仕事をしようとすると
症状が出るのはヒステリー症状と似ていますが、
ジストニアは精神疾患ではなく
脳神経疾患であることは間違いありません。
職業性ジストニアになったら?
職業性ジストニアになったら、
どうすれば良いのでしょうか?
職業性ジストニアの治療法は、まだ確立されていません。
これといった有効な治療法はありませんので、
残念ながらまずは休職すること、
その特定の部位を使わないようにすることが大切です。
無理してジストニアの症状が出ている部位を使い続けていると
症状はどんどん悪化していきます。
まずは、休職してその部位を休ませましょう。
それから神経内科を受診してください。
薬物療法や神経ブロック療法、
ボツリヌス療法などで症状が軽減されることもあります。
医師と相談しながら、
自分に合った治療法を見つけていきましょう。
職業性ジストニアは有効な治療法がなく、
職業を変更せざるを得なくなるほど怖い病気なのです。
今後早く、原因の解明や治療法を
開発してもらいたいですね。