てんかん発作は救急車を呼ぶべき?てんかんの対処法を知りましょう。
てんかんとはどんな病気?
てんかんとは、
脳の神経細胞が一時的に異常に興奮することで、
意識消失や痙攣などが起こる病気です。
この意識消失や痙攣が起こることをてんかん発作と言い、
てんかん発作が慢性的に続く病気をてんかんと言います。
てんかんは小児から高齢者まで
幅広い年代で発症する可能性がある病気で、
有病率は1000人に8~10人となっていますので、
決して珍しい病気ではありません。
てんかんというと、
「突然バタンと倒れて、白目をむきながら痙攣する」
というイメージを持っていますが、
この「突然バタンと倒れて、白目をむきながら痙攣する」
というのは強直間代性発作と言って、
てんかんの症状の1つでしかありません。
てんかんの中には意識を失わないものもありますし、
痙攣はせずに周囲から見ると、
「動きを止めてボーっとしているだけ」
のように見えるてんかん発作もあるのです。
てんかんが起こったらどうする?
周囲の人がてんかん発作を起こしたら、
どうすれば良いのでしょう?
家族や友人が、てんかん発作を起こした時に、
適切な対処ができるように、
てんかんが起こった時の対処法を確認しておきましょう。
ここでは、先ほど説明した
「突然バタンと倒れて、白目をむきながら痙攣する」
強直間代性発作が起こった時の対処法を説明します。
まず、てんかん発作を目の前で起こした人がいたら、
観察しましょう。
「え?何もしないの?」と思うかもしれませんが、
観察することもとても重要な対処法です。
痙攣は何分くらい続いたか、
どんな痙攣だったか、呼びかけに反応するか、
手足の動きや目の動きなどをきちんと観察して、
記録しておきましょう。
これは、てんかん発作が落ち着いた後に、
病院を受診する場合にとても有効な情報になります。
また、てんかん発作が起こったら、
舌をかんでしまうといけないからと言って、
口の中にタオルを巻いたフォークなどを
くわえさせることがありますが、これは、
口の中を傷つける可能性がありますので止めましょう。
口の中に何かを入れると、
嘔吐を誘発して、吐物を誤嚥したり
窒息する可能性がありますので危険なのです。
安全な場所で横にならせて、
衣服を緩めてあげるようにしましょう。
けいれんがが長いなら救急車を
てんかん発作が起こったら、
たいていは数十秒から数分で発作が自然に治まります。
てんかん発作が治まったら、
たいていは自然に意識を取り戻します。
意識が戻った直後は、
まだフラフラしていますので、転倒したり、
物にぶつかったりしないように気をつけてあげましょう。
ただ、まれに5分以上痙攣が止まらないことがあります。
5分以上痙攣が止まらなかったら、
救急車を呼びましょう。
痙攣が止まらない状態を、
てんかん重責発作と言いますが、
てんかん重責発作は呼吸ができなくなったり、
脳や心臓に過度な負担がかかって、
後遺症が残ることがあるのです。
5分まではその場で様子を見る、
5分以上痙攣が続くようなら、すぐに救急車を呼ぶ。
これを覚えておきましょう。