国内初の卵子バンクが誕生!卵子バンクの問題点である法整備が必要不可欠です。
国内初の卵子バンク誕生
今までは、「卵子バンク」というと、
海外の話というイメージがありましたが、
2013年5月にNPO法人「OD-NET 卵子提供登録支援団体」
による日本国内初の卵子バンクがスタートしました。
現在のところ、9人が卵子提供ドナーとして
登録しており、3人に卵子提供が決まっていて、
半年以内に体外受精が予定されています。
海外での卵子バンクは、卵子が売買されていますが
この「OD-NET 卵子提供登録支援団体」は、
無償のボランティアで行っているそうです。
卵子バンクって何?
日本だと、「卵子バンク」という言葉は
あまり聞きなれない言葉ですよね。
卵子バンクって、どんなものなのでしょう?
卵子バンクとは、生まれつき卵巣機能が低下している
ターナー症候群など何らかの原因により、
妊娠することができない女性に、
第三者の卵子を提供するサービスのことです。
卵子バンクは、ドナー(卵子を提供する人)と
レシピエント(卵子を提供される人)を
仲介しています。
病気などが原因の不妊女性にとっては、
自分で出産するための唯一の手段と言えるでしょう。
この卵子バンクができるまでは、
日本国内では姉妹や友人からの卵子提供が
認められているのみで、
第三者からの卵子提供での体外受精は
認められていませんでした。
第三者からの卵子提供を希望する場合は、
海外の卵子バンクを利用しなければいけなかったのです。
海外での卵子バンクの利用は、
多額のお金がかかりますので、
卵子提供を望む女性にとっては、
国内の卵子バンク誕生は嬉しいニュースだと思います。
卵子バンクの問題点
国内初の卵子バンクが誕生しましたが、
現時点では問題は山積みになっています。
卵子提供に関する法律や制度の整備が不十分なままなのです。
具体的な問題点としては、
卵子を提供するドナーの安全性があります。
卵子提供は、麻酔をかけて行いますので、
リスクを伴う医療処置になります。
万が一、事故が起こってしまった場合の
対処や補償をしっかりと整備しておく必要があります。
また、現行法上は卵子提供での出産を想定していませんので
卵子提供した母親と実際に出産した母親の
どちらが戸籍上の母親になるのか明確にされていません。
過去の判例に基づくと、
産みの母親が戸籍上の母親となるわけですが、
もし卵子提供の母親が訴えを起こした場合、
どのような判決が出るかは不透明なままで、
子供の地位が不安定になっていしまいます。
また、卵子提供で生まれた子供は、
産みの母親が戸籍上の母親となるわけですが、
戸籍には卵子提供者が記載されていませんので、
遺伝的な自分の出自を知ることができず、
「知る権利」を阻害されることになってしまいます。
まだまだ問題点の多い卵子バンクですが、
卵子提供を望む女性にとって卵子バンクの存在は、
出産のための最後の命綱とも言える存在です。
そのため、卵子バンクの運営がスムーズに進むためにも、
法整備が必要不可欠となるでしょう。