「晩産化」と共に不妊に悩む女性が急増。不妊の原因や治療について知っておきましょう。
初産年齢が30歳以上
平成24年の人口動態統計によると、
女性の初産の平均年齢は30.3歳です。
この初産の平均年齢は、昭和55年では26.4歳だったので、
32年間で女性の初産年齢が約4歳も
上がったことになります。
政府は、この結果を受けて
2013年版「少子化社会対策白書」を決定し、
「晩産化」が少子化の一因であるとして、
これまでの子育て支援を重視してきた少子化対策について、
「晩産化」とその背後にある「晩婚化」を踏まえた
支援策の重要性を強調しています。
不妊の原因は?
女性の社会進出や経済的な不安により、晩産化が進み、
35歳以上になってから出産を望む人が急増しています。
20代での出産率は減少していますが、
30~49歳の出産率は上昇しているのです。
しかし、35歳以上の妊娠・出産は、
20代と比べると、どうしても様々な問題が起こってきます。
その問題のひとつが不妊です。
ヨーロッパの不妊専門雑誌によると、
19~26歳の自然妊娠率は約50%、27~34歳で40%、
35~39歳は30%と年齢と共に、自然妊娠率は下がります。
国立成育医療研究センター不妊診療科の斉藤医師によると、
不妊治療の初診年齢は以前は30代前半が中心だったが、
最近は38~39歳が中心となり、
患者さんの半数が40代とのことです。
では、不妊の原因は何でしょう?
不妊の原因は様々ですが、代表的なものは年齢要因です。
卵子や子宮が老化することにより、
妊娠しにくくなってしまいます。
最近は、「卵子の老化」が注目されていますよね。
また、年齢要因以外にも、
排卵に関係するホルモンがうまく働いていない「排卵因子」や
卵管が閉塞している「卵管因子」、
子宮内膜が薄い「着床因子」などがあり、
子宮内膜症など婦人科系の病気も、
不妊の原因となっています。
不妊治療の開始年齢と種類
不妊治療をしても、治療を受けた人
全員が妊娠するわけではありません。
日本産婦人科学会のデータによると、
不妊治療を受けた後出産できる確率は32歳で18.6%、
37歳で13.9%、39歳で9.7%、45歳で0.1%と
年齢と共に下がっています。
また、不妊治療も1種類のみではなく、
通常段階を踏んで、ステップアップしていきます。
最初は、タイミング療法です。
タイミング療法は、排卵日を予測することで、
妊娠の確率を上げたり、
排卵を促すため排卵誘発剤を使用します。
タイミング療法で妊娠しない場合は、
人工授精へとステップアップします。
タイミング療法は、健康保険が適用になりますし、
人工授精も1回2~3万円と
それほど高額な治療ではありません。
通常、ここまで2年程度かけて行うのですが、
アラフォー世代は時間をかけると
どんどん妊娠の確率が下がりますので、
半年程度で最後のステップである体外受精へと
進む場合が多いのです。
体外受精は、1回30~60万円もかかりますので、
経済的な負担が大きくなります。
また、卵子を取り出して受精させた後、
子宮に戻すため、身体的な負担も大きく、
また精神的な負担も大きい治療です。
自然妊娠の確率も、不妊治療後の妊娠・出産率も
若ければ若いだけ確率が上がります。
有名人や芸能人も40代で子供を産んでいるから、
自分も40代になっても産めるはずと考えるのではなく、
20代の時から結婚、妊娠、出産に対しての情報を得て、
自分のライフプランを考えておくことが、
女性として悔いのない人生を送る秘訣かもしれません。