いずれは子供を産みたいけれど今はまだ・・・そんな独身女性の駆け込み「卵子の冷凍保存」が急増中
卵子は自分と同い年!この事実に慌てる女性達
女性は、女性としてこの世に生まれた時から、
卵子のモトとなる「原始卵胞」というものを
一定数体内に蓄えています。
ですから、卵子は本人と同じだけ歳を重ねているのです。
そして、卵子が古くなると妊娠しづらくなったり、
胎児に異常が起こりやすい・・・
女性達が意外と知らなかったこの事実が、
この1、2年間にマスコミなどで取り上げられることが
多くなりました。
妊娠なんてまだまだ先のこと、と思っていた女性達も、
この事実に驚き焦りを感じたのか、
卵子の冷凍保存希望者が急増しています。
卵子凍結は基本的に不妊治療の手段
女性も晩婚化が進み、将来的に妊娠を望む独身女性の、
若く健康な卵子を冷凍保存したいという声が
高まっています。
これまで卵子の冷凍保存は、夫婦間の不妊治療において、
他の方法では妊娠の可能性が
極めて低いと判断された場合のみに行われてきました。
不妊治療に関わらない卵子の冷凍保存については、
法規制はありませんでしたが、
倫理的に避けるべきとされていたのです。
しかし、卵子の老化を心配する、
現在健康な独身女性に対し、
独自で冷凍保存サービスを行うクリニックが
徐々に増えていることを受け、日本生殖医学会も、
これを容認する方針です。
妊娠できる保障があるわけではない
しかし、これにはまだ
クリアしなければならない問題点があります。
一つは、冷凍保存をしておいたからといって、
必ずしも妊娠できるとは限らないということです。
2011年のデータでは、
凍結卵子を使った不妊治療で出産に至ったのは、
わずか6%。
解凍や受精の過程で卵子が壊れてしまうことも
珍しくありません。
いざ妊娠しようと思ったら、使える卵子がなく、
自然妊娠も年齢的に困難、
ということにもなりかねないのです。
日本生殖医学会では、容認はするものの、
「40歳以上は推奨できない」としています。
また、卵子を採取するのに使用する
排卵誘発剤の副作用リスクや、
高齢出産では母子共に
命の危険も覚悟しなくてはなりません。
子供が授かりものと言われたのも今は昔・・・
今回、独身女性の卵子凍結が容認に至ったのは、
晩婚化、少子高齢化を考慮してのことでしょうが、
根本的な解決には役立たないのではないでしょうか。
女性のライフスタイルの選択肢が増えることは
歓迎すべきかもしれませんが、
このような方法があることで、
却って晩婚化に拍車がかかる可能性もありますし、
ますます個人主義が進むようにも思えます。
子供が「授かりもの」と言われていた時代とは、
隔世の感がありますね。