あなたの行動が命を救うかもしれない!心肺蘇生の手順を確認しておきましょう。
心肺蘇生、人間VS機械
心筋梗塞などで突然目の前の人が倒れ、
心臓が止まっていた場合、
その場で心肺蘇生をする必要があります。
心肺蘇生の必須項目と言えば、
心臓マッサージ(胸骨圧迫)ですが、
心臓マッサージは人間の手だけでなく、
病院では機械使って行うことがあります。
では、人間と機械では、
どちらの心肺蘇生が優れているのでしょう?
スウェーデンのウプサラ病院のロバートソン氏らが
ヨーロッパ心臓学会で発表した調査では、
人間が心肺蘇生を行っても、
機械が行っても4時間後の生存率は変わらない
という結果が出たそうです。
この調査は、病院以外で心臓が停止した2589人を対象に、
人間が心肺蘇生を行った場合と
フィジオ社の心臓マッサージ機を用いた場合での
生存率を検討したもので、
救急隊員が現場に到着した直後から手で
心臓マッサージを行い、その後、
手での心臓マッサージを継続するか
機械に切り替えるかで分けられたそうです。
調査結果では、心臓マッサージ4時間後の生存率は、
人間で23.7%、機械で23.6%とほとんど同じですので、
人間の手でしっかり心臓マッサージを行えば、
専門の機械を用いて行う心臓マッサージと
同様の効果が得られるんですね。
心肺蘇生法の手順
心肺蘇生を行う意義は、脳へ酸素を供給するためです。
脳に酸素が届かないと、
脳細胞がどんどん死滅していきます。
脳細胞は不可逆的ものですので、
一度死滅すると再生しません。
呼吸が停止してから4~6分経つと、
脳細胞が破壊され始めますので、
できるだけ早く心肺蘇生を開始する必要があります。
心配蘇生法の手順は、皆さんご存知ですか?
いつ何時必要になるかわかりませんので、
確認しておきましょう。
①倒れている人を見かけたら、肩をたたきながら声をかけ
意識の有無を確認しましょう。
②意識がない場合、周囲の人を呼んで、
119番通報やAEDを持ってくるように依頼しましょう。
③胸やお腹の動きを見て、呼吸の有無を確認します。
④正常な呼吸が確認できない場合、
すぐに心臓マッサージを開始します。
心臓マッサージのポイントは、
「強く、速く、絶え間なく」です。
「強く」は胸が5センチ以上沈むように、
「速く」は1分間に100回以上、
「絶え間なく」はできるだけ中断時間を
短くするようにしましょう。
心臓マッサージは、
救急車が到着するまで継続して行います。
人工呼吸は、感染防護具を持っていなかったり、
口対口の人工呼吸がためらわれる場合は、
人工呼吸は行わず、心臓マッサージだけでもOKです。
AEDの使い方
AEDは、心肺蘇生率を上げるための重要な機械です。
でも、医療職者ではない一般人がAEDを使用して、
電気ショックを与えてよいのかと、
使用を躊躇する人もいるでしょう。
AEDは、使用したら
必ず電気ショックを与えるわけではありません。
AEDが自動的に心電図を解析し、
電気ショックを与える必要がある場合にのみ
電気ショックを与えます。
また、AEDは電源を入れれば、
その後は全て音声でAEDの使い方を指示してくれますので
全く使ったことがない人でも、電源を入れることができれば
簡単に使用することができます。
AEDは公共の場所などで急速に普及が進んでいますので、
AEDのある場所では、
積極的にAEDを使って心肺蘇生をするようにしましょう。