2014年4月頃の新薬の登場で、糖尿病治療が大きく変わるかもしれません!
糖尿病の治療法
生活習慣病の代表格といえる糖尿病。
2007年の厚生労働省の推計によると、
日本には糖尿病患者とその予備軍は、
合計で2210万人もいるとされています。
5人に1人が糖尿病という計算になります。
糖尿病は、インスリンの分泌量が減少したり、
その作用が低下することで血糖値が高くなる病気ですが、
一度糖尿病になると完治することはありませんので、
上手に血糖値をコントロールしながら、
一生治療を続けて付き合っていく必要があります。
糖尿病の治療法は、
食事療法と運動療法、薬物療法の3つに分けられます。
食事療法は、日常生活の運動量(生活強度)に合わせて
カロリー計算をした食事をするものです。
カロリーを取りすぎると、血糖値が上がりますので、
カロリー計算が必要なのです。
また、最近ではカロリー制限だけではなく、
糖質制限を行う食事療法も行われるようになっています。
運動療法は、
運動することでブドウ糖がエネルギーとして消費され
血糖値を下げることを目的として行います。
また運動を長く続けることで、
インスリン抵抗性が改善しますので、
インスリンの働きが良くなるというメリットもあります。
糖尿病での運動療法は、
医師の指導の基に自分に合った運動メニューを作り、
それを長く続けることが重要で、
突然の激しい運動をすると、
血糖コントロールが悪くなりますので注意が必要です。
糖尿病の薬物療法
糖尿病が進行すると、
食事療法や運動療法では血糖値が下がらなくなり、
薬物療法を取り入れる必要があります。
薬物療法には、インスリンを皮下注射する方法と
内服薬で血糖値をコントロールする方法があります。
内服薬にはいろいろな種類がありますが、
おもに3つの作用に分けられます。
1つ目が、すい臓のβ細胞に働きかけることで、
インスリンの分泌を促進させるものです。
2つ目が腸でブドウ糖が吸収されるのを抑制することで、
血糖値の上昇を抑えるもの、
3つ目がインスリンの抵抗性を改善して、
肝臓で糖の生成を抑制したり、
筋肉や脂肪組織で糖が利用されるのを促進するものです。
ただ、これらの内服薬は副作用として
低血糖になりやすいという問題点があります。
糖尿病治療の新薬承認へ
現在糖尿病治療で使われている内服薬は、
上記の3種類になりますが、
2014年4月頃に新薬が保険適用となる見通しになっています。
その新薬の作用は、尿から糖を排出するというものです。
腎臓には血液から尿に出た糖を再吸収する働きがありますが
この再吸収を阻害することで、尿から糖を排出させます。
この新薬は、血糖値を下げるだけでなく、
エネルギー源である糖を体外へ排出することで
体重増加を抑えられることや従来の内服薬と比べて、
低血糖を起こしにくいという特徴があります。
この新薬が普及することで、
糖尿病治療の方向性が大きく変わるかもしれませんね。
でも、糖尿病は予防が最も大切ですので、
健康的な食事と適度な運動習慣で
糖尿病にならないようにしましょう。