極度の疲労で寝たきりに?慢性疲労症候群について知りましょう。
慢性疲労症候群とは
慢性疲労症候群という病気を聞いたことはあるでしょうか?
病名だけ見ると、
「疲れやすい」「疲れが溜まっている」程度の病気と
思われるかもしれませんね。
でも、実際の慢性疲労症候群は、
原因不明の極度の疲労により日常生活を送ることが
困難になる状態が6ヶ月以上続く難病です。
ただ、その病名から「ただ怠けているだけ」、
「ただ単に疲れが溜まっているだけ」
という誤解をうけやすく、
偏見を受ける患者さんが多くいます。
慢性疲労症候群の発症は20~50代が多く、
女性が60~70%を占めています。
現在、日本では約38万人が
慢性疲労症候群を患っていると推測されていますが、
うつ病や神経症、更年期障害などの病気と
誤診されているケースも多いと言われています。
アメリカの疾病予防センターによると、
この慢性疲労症候群の完治率は5~10%と非常に低く、
現在のところ治療をしても「改善」はするものの、
完治は難しい状態です。
慢性疲労症候群の症状
慢性疲労症候群の症状は、原因不明の極度の疲労です。
ただ、細かい症状や程度には個人差があり、
極度の疲労のほかに筋肉痛や関節痛、頭痛、顔のこわばり、
微熱、睡眠障害、精神障害(抑うつ、興奮、不安、錯乱等)
知的活動障害(思考力の低下、記憶力の低下等)などがあり
これ以外にも動悸や息切れ、
アレルギー症状の悪化など様々な症状が現れます。
これらの症状により、日常生活を送ることが
困難になるどころか寝たきりの生活を余儀なくされることも
少なくありませんので、経済的に困窮するケースもあります。
慢性疲労症候群は脳の炎症が原因?
慢性疲労症候群は、全身の検査をしても
病変が発見されない病気でしたが、
大阪市立大学や理化学研究所の研究チームにより、
慢性疲労症候群の患者は、
脳の広い範囲で炎症を起こしていることを確認しました。
慢性疲労症候群は原因不明の病気で、
免疫異常や内分泌異常、感染症、神経学的異常、
遺伝など様々な原因説があり、
それぞれ研究が進んでいましたが、
今回の発見で原因究明や治療法の確立が進むことが
期待されています。
慢性疲労症候群は早めに治療を
慢性疲労症候群は、上記での述べているとおり、
疲れが蓄積しているだけの慢性疲労とは違うものです。
慢性疲労は、休息すれば回復しますが、
慢性疲労症候群は専門医の治療が必要になります。
慢性疲労症候群の治療は、
抗うつ薬や抗不安薬、鎮痛薬、抗アレルギー薬、ビタミン剤
漢方薬などを用いる薬物療法のほかに
認知療法や温熱療法などを行います。
完治は難しい難病ですが、
治療をすれば改善することは可能ですので、
疲れがひどくて日常生活を送るのが辛い
などの症状がある人は、
早めに医療機関を受診するようにしましょう。