感染症の拡大を防ぐためには、感染経路とそれに応じた予防法を知りましょう。
空気感染とは?
5月下旬から韓国で
MERS(マーズ=中東呼吸器症候群)が猛威を振るっています。
MERSはまだ感染経路が解明されていませんが、
韓国での感染の拡大の様子から空気感染が疑われています。
感染症の予防のためには
感染経路ごとの予防対策が欠かせません。
主な感染経路とその予防策を知りましょう。
まずは、MERSもこの感染経路ではないかと
疑われている空気感染です。
空気感染は飛沫核感染とも呼ばれます。
空気感染をする病原菌は非常に小さく軽いため、
空気中に長時間浮遊して移動し、感染を拡大させます。
この空気感染の代表的な病気は、
水痘(水疱瘡)や麻疹、結核です。
空気感染は日常生活内での予防がとても難しく、
それゆえに感染が広がりやすいんです。
空気感染をする病原菌は一般的なマスクでは防ぐことができず、
N95マスクという医療用の特殊なマスクをしないといけません。
また、強毒性の空気感染の場合、
患者を陰圧室に隔離する必要があります。
飛沫感染とは?
次は、飛沫感染です。
飛沫感染は咳やくしゃみと一緒に飛散し、
それが粘膜に付着することで感染します。
飛沫感染は、空気感染の病原菌と比べて大きく重いため、
2m以上は空気中を浮遊することはありません。
飛沫感染の主な病気は、
インフルエンザや肺炎、風疹などがあります。
飛沫感染は、
マスク着用や手洗いうがいで予防することができます。
経口感染とは?
続いて経口感染についてです。
経口感染は病原菌に汚染されたものを食べたり、
糞便で汚染された水を飲むことで感染する感染経路です。
経口感染の主な病気は腸管出血性大腸菌や
サルモネラ菌などの食中毒を起こす感染症や、
パラチフス、赤痢、コレラ、A型肝炎などがあります。
経口感染の予防法は、食品の衛生に気をつけることです。
しっかり加熱することや
調理器具の洗浄・消毒はもちろんですが、
途上国では水道水は飲まないことなどが大切です。
また、手洗いも重要な予防法になります。
接触感染とは?
最後に接触感染について知りましょう。
接触感染は、皮膚や粘膜が接触することや
医療器具を介して病原菌が広がるものを言います。
エボラ出血熱や狂犬病、破傷風、
MRSAなどのほかにAIDSや梅毒、
B型肝炎などの性感染症も接触感染に含まれます。
エボラ出血熱や狂犬病、破傷風などは、
病原菌を持っているものに触れないこと、
MRSAは手洗いや消毒が有効な予防法です。
性感染症は、不特定多数との性行為を避け、
コンドームを正しく使用するようにしましょう。
ほとんどの感染症は、感染経路を知って、
それに対応した予防法を正しく実行すれば、
予防することが可能です。
感染経路と正しい予防法を知って、
感染症から身を守るようにしましょう。