拡大を続けるジカ熱。人から人への感染も!注意してください。
ジカ熱って怖いの?
南北アメリカ大陸でジカ熱が大流行しています。
ジカ熱とは、ジカウイルスによる感染症で、
デング熱などを媒介するネッタイシマカが媒介します。
ジカウイルスに感染しても、
実際にジカ熱を発症するのは5人に1人程度とされています。
また、健康な成人であれば、ジカ熱を発症しても、
「インフルエンザ+発疹」のような症状ですので、
「致死率が高い」とか、
「感染したら終わり」というわけではありません。
でも、妊娠中の女性は注意しなければなりません。
科学的にはまだ証明されてはいませんが、
妊娠中にジカ熱に感染すると、
小頭症の子どもが生まれてくるリスクが高くなるんです。
そのため、WHOは2月1日にジカ熱流行に対しての
緊急事態宣言を出していて、
今後、南北アメリカ大陸で最大400万人が
ジカ熱に感染するという見通しを立てています。
リオオリンピックにも影響?
南北アメリカ大陸で猛威を振るっているジカ熱ですが、
特にブラジルで流行していて、
患者数がどんどん増えています。
また、昨年と比べて、小頭症で生まれてくる赤ちゃんも
急激に増加しているのです。
これを受けて、2016年の夏に行われる
リオデジャネイロオリンピックの開催が危ぶまれています。
現時点では、ブラジル政府は選手に影響はないし、
蚊の駆除等の予防対策を徹底していくと宣言しています。
ただ、妊娠中の女性はリオオリンピックの
現地観戦は控えるべきであるとの見解も示しています。
このジカ熱が今後、
さらに流行が拡大し、事態が悪化すれば、
リオオリンピックにも何らかの影響が出てくるかもしれません。
人から人へうつるジカ熱
さらに、今まではジカ熱はネッタイシマカが媒介していて、
ネッタイシマカが生息していない場所では
感染のリスクはないとされていましたが、
温帯地域にも生息するヒトスジシマカも
媒介するのではないかと疑われています。
さらには、蚊が媒介せずに
人から人へ感染することも確認されているんです。
ジカウイルスは感染者の精液にも含まれていることがわかり、
感染者と性交渉をして、パートナーに感染した
というケースがアメリカのテキサス州で確認されました。
空気感染や飛沫感染ではないものの、
人から人への感染が確認されたことで、
今後ジカ熱はさらに拡大するかもしれません。
また、ジカ熱の流行は
南北アメリカ大陸にとどまらない可能性もあります。
中米ハイチを旅行していたオーストラリア人が、
オーストラリアに戻ってからジカ熱を発症し、
さらに空港からはジカウイルスに汚染された蚊も
見つかっています。
オーストラリアで見つかった
ジカウイルスを持った蚊はごく少数だったため、
感染拡大はしないとの見通しですが、
今後は全世界にジカ熱の流行が拡大するかもしれません。
今私たちにできることは、
流行地域への不要不急の渡航は避けることと、
ジカ熱の流行状況を把握し、
正しい情報を入手することです。
今後もジカ熱の流行の推移を見守っていく必要がありますね。