低血圧はなぜ起こる?低血圧の分類や症状を知ろう。「低血圧で朝起きられない」には医学的根拠が有りません
低血圧の分類と症状
高血圧は生活習慣病ですので、
高血圧に注意している人はいても、
低血圧に注意を払う人は少ないかもしれません。
でも、低血圧も放っておくと、
身体に様々な症状が現れるんです。
そもそも低血圧とは、
収縮期血圧(最高血圧)が100mmHg以下で、
何らかの症状が現れている状態のことです。
収縮期血圧が100mmHg以下でも、
特に自覚症状などがなければ、治療の必要はありません。
低血圧は、起立性低血圧(一過性低血圧)、
本態性低血圧、二次性低血圧の3つに分類されます。
起立性低血圧は、
立ち上がった時や長時間立ったままの状態の時に、
突然血圧が低くなり、脳への血流が少なくなることで、
立ちくらみやめまい、失神が起こります。
本態性低血圧とは、特に原因疾患がないのに、
血圧が低い状態のことです。
血圧が低く、全身の隅々まで血液が行き届かないため、
細胞の酸素や栄養分が不足し、疲労感や倦怠感、
頭痛、耳鳴り、動悸、食欲不振、
めまいなどの症状が現れます。
二次性低血圧は、何らかの原因疾患があり、
その影響で血圧が低くなっている状態です。
原因となる疾患としては、心臓のポンプ機能が
低下する心機能の低下や血液量が低下する脱水、
薬剤の影響での低血圧などがあります。
貧血と起立性低血圧の違いは?
起立性低血圧は、
立ちくらみやめまいの症状が現れますが、
貧血でも同じような症状が現れますよね。
起立性低血圧と貧血の違いは何でしょう?
起立性低血圧は、血圧が低いため、
脳に十分な血液を送ることができず、
酸素が不足することで、
立ちくらみやめまいを起こします。
貧血の場合は、血圧は正常であるにもかかわらず、
酸素を運搬するヘモグロビンが少ないことで、
脳への酸素運搬量が少なくなって、
立ちくらみやめまいを起こすのです。
起立性低血圧も貧血も、
酸素が行き届かないという点では同じですが、
そのメカニズムが違うということですね。
どちらも、
若い女性や高齢者に多いという特徴があります。
低血圧で朝起きられない?
「低血圧で朝が苦手、朝起きられない」
ということをよく聞きませんか?
実は、「低血圧で朝起きられない」というのは、
医学的根拠がないんです。
つまり、低血圧だからといって、
「朝が弱い」という理由にはならないんです。
では、なぜ「朝起きられない」
という状態になるのでしょう?
これは、低血圧のせいではなく
生活リズムが乱れていたり
睡眠不足などが影響していると考えられます。
夜更かしで十分な睡眠時間が確保できていなかったり
睡眠の質が悪かったり、
前日にアルコールをたくさん飲んでいたりなど
していませんか?
「朝、どうしても起きられない」という人は、
一度自分の生活環境を見直してみましょう。
また、睡眠の質を良くするためには、
就寝前にリラックスタイムを設けて、
副交感神経を優位にしておくことも効果的ですよ。