ワクチン接種以外での子宮頸がん予防法とアメリカでの接種状況は?
子宮頸がんワクチンの摂取推奨ストップ
2013年4月から、子宮頸がんワクチンは定期接種となり
原則無料で接種可能となりましたが、
重篤な副作用が次々に報告されるようになり、
厚生労働省は定期接種となったわずか2ヶ月後の
2013年6月には、定期接種の推奨を取りやめました。
子宮頸がんの重大な副作用の報告例とは、
全身に慢性的な痛みが生じたり、
手足の痺れや歩行困難などの症状を
生じるなどのケースです。
現段階では、これらの副作用と子宮頸がんワクチンの
因果関係はわかっておらず、
因果関係があるかどうかの調査が進められています。
「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」
事務局長の池田さんによると、
2013年7月末の時点で子宮頸がんワクチンによる
副作用の相談件数は600件を超えていて、
痛みが頭や手足、背など随所に移動する症状がありながら
鎮痛剤が効かないケースが多いとのことです。
また、今後の子宮頸がんワクチン方向性については、
「一時的にワクチン接種を全面中止し、
まずは安全性を確認することが国の責務ではないか」
と述べています。
アメリカでの現状は?
子宮頸がんワクチンは、
世界100カ国以上で導入されていて、
アメリカでは積極的にワクチン接種を推奨
(10代で3回接種)しています。
アメリカでの接種状況は、
1回以上接種した割合は2011年で53.0%、
2012年で53.8%となっています。
3回全ての接種を完了した割合は、
2011年で34.8%、2012年で33.4%です。
これらの数字は、
アメリカ政府の目標である80%と比べると、
決して高い数字とは言えません。
アメリカで「自分の娘に子宮頸がんワクチンを
接種させるつもりがない」と考える理由は、
①子宮頸がんワクチンの必要性がない
②子宮頸がんワクチン接種を勧められていない
③安全性に懸念がある
④ワクチンへの知識がない
⑤10代は性的に活発な年齢ではない
という5つがトップ5になっています。
アメリカでの子宮頸がんワクチンによる副作用は、
2006~2013年に接種された件数が5600万件で、
そのうち約2万1000件の副作用報告があります。
副作用発生割合は、0.03%であり、
そのうち重篤例は7.9%だったとのことです。
ワクチン接種以外の予防法は?
安全性に疑問がある子宮頸がんワクチンですが、
ワクチン接種以外で子宮頸がんを予防することは
可能なのでしょうか?
子宮頸がんの予防法は、ワクチン接種以外に、
定期健診を受けることです。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスの感染で
発症する性感染症ですが、口や手指からも感染するため
コンドームでは防ぐことができません。
そのため、最低でも2年に1度は、
子宮頸がんの定期健診を受けるようにしましょう。
この定期健診で100%子宮頸がんを予防することは
できませんが、早期発見・早期治療につながります。
たとえ、子宮頸がんワクチンを接種していても、
定期健診は受ける必要がありますので、
婦人科検診に抵抗のある人もいると思いますが、
積極的に定期健診を受けるようにしましょう。