胃がんの原因になるピロリ菌。ピロリ菌除去が保険適用になったことを知っていますか?
ピロリ菌って何?
健康や医療に関するニュースやテレビ番組などで、
最近よく話題になるのが「ピロリ菌」ですよね。
日本人は、50歳以上の80%が
ピロリ菌に感染していると言われています。
ピロリ菌とは、胃の中に生息する細菌で、
ピロリ菌に感染すること、
胃がんや胃潰瘍の原因になることが明らかになっています。
ピロリ菌に感染すると、慢性胃炎を引き起こし、
胃の粘膜が収縮する萎縮性胃炎となります。
胃が常に炎症を起こしている状態だと、
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、
胃がんのリスクが高まるのです。
日本人の胃がんの原因の約9割が、
ピロリ菌と関係していると言われています。
ピロリ菌が厄介なのは、胃酸が効かないことと
一度感染すると除菌をしない限り、
胃の中に生息し続けることです。
ピロリ菌を除菌するためには、専門の治療が必要となります。
ピロリ菌除去が保険適用に
今まではピロリ菌の除去は、胃潰瘍などの病気がなければ、
保険が適用されませんでした。
しかし、ピロリ菌が
胃がんの主な原因であることなどが判明し、
ピロリ菌の危険性が明らかになったことで、
2013年2月から保険適用となり、
3割の自己負担金でピロリ菌が除去できるようになりました。
保険適用前は、
ピロリ菌有無の検査と除去治療で17650円かかっていたのが
保険適用後は5295円の負担で済むようになっています。
今後、2020年には団塊の世代が70歳を越え、
高齢者の増加と共に胃がん患者の数も
増えていくことが予想され、
胃がん患者は現在から7万人増えて30万人に、
胃がんによる死亡者は1万人増えて6万人になると
推計されています。
ピロリ菌の除去を保険適用とし、
ピロリ菌除去者が増えることで、胃がんを予防し、
胃がん患者数を減らすことができるのに加えて、
年々増大していく医療費の削減にも
役立つのではないかと期待されています。
ピロリ菌の除去方法
現在、日本で保険が適用となるピロリ菌除去方法は、
抗生剤を2種類と胃酸を抑える薬1種類の
計3種類を7日間飲む方法です。
内視鏡などを用いて、苦しい治療をする必要があると
思っている人もいるかもしれませんが、
7日間薬を飲むだけだったら、入院の必要もありませんし、
簡単にできますよね。
7日間薬を飲むだけで、
しかも費用は5000円程度で胃がんの原因を除去できるなら
ぜひ治療してみたいという人も多いと思います。
ただ、この治療を行えば、
100%ピロリ菌が除去できるというわけではありません。
現在のところ、除去成功率は80%前後と言われていて、
抗生物質への耐性を持つピロリ菌も発見されています。
また、薬の副作用として、
下痢や腹痛、味覚異常や口内炎などが
現れる場合があります。
副作用が現れ、自己判断で薬剤の服用を途中でやめてしまうと
耐性菌の出現につながることがありますので、
副作用がひどい時は主治医に相談するようにしましょう。