睡眠時無呼吸症候群は、心筋梗塞の原因になるって知っていますか?
心筋梗塞が朝に多いのは無呼吸症候群のせい?
日本人の死因第2位は心疾患ですが、
その中でも死亡率が高いのが心筋梗塞です。
心筋梗塞が発症しやすい時間帯は、
午前6時~10時の間というデータがあります。
心筋梗塞が朝に多いのは、
睡眠時無呼吸症候群と関係しているかもしれない
との研究結果が発表されました。
睡眠時無呼吸症候群とは、
寝ている間に筋肉が弛緩して気道が狭くなり、
数秒から数十秒呼吸が止まる病気のことです。
長崎市立病院の中島医師によると、
心筋梗塞を発症した患者を睡眠時無呼吸症候群と
診断された人と診断されなかった人のグループに分け、
6時間毎の時間帯に心筋梗塞の発症率を調べた結果、
無呼吸症候群の人は午前6時から正午の発症率が38%と高く、
無呼吸の程度が重い人の43%が
この午前中の時間帯に集中していたことがわかりました。
無呼吸症候群でない人は、
どの時間帯も25%程度と時間帯による差は
見られなかったとのことです。
以前から、睡眠時無呼吸症候群と心筋梗塞の発症には
関連があると言われていましたが、
心筋梗塞の発症の時間帯まで関係しているとの
調査結果が出たのは、初めてのことです。
無呼吸症候群と心筋梗塞の関係
睡眠時に気道が狭窄し、呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は
高血圧になりやすいと言われています。
通常、眠っている時は副交感神経が優位に働くため、
血圧が下がるのですが、睡眠時無呼吸症候群の場合、
呼吸が数秒~数十秒止まることを繰り返すことになりますので
脳が酸素不足に陥り、覚醒状態になります。
脳が覚醒していると、交感神経が優位に働くため、
血圧が上昇することになります。
そのため、睡眠時無呼吸症候群は高血圧になりやすいのです。
また、高血圧の状態が続くと、
血管壁に大きな負担を与えるため、
動脈硬化を促進することになります。
動脈硬化は、心筋梗塞の主な原因のひとつですし、
呼吸が止まっている時は血圧が変動しやすいため、
心筋梗塞のリスクが高くなると考えられます。
睡眠時無呼吸症候群の患者の約20%が
虚血性心疾患(心筋梗塞等)を合併し、
15~56%が高血圧を併発しているとの報告もあります。
無呼吸症候群の予防
睡眠時無呼吸症候群を予防すれば、
高血圧や心筋梗塞のリスクを減らすことができます。
睡眠時無呼吸症候群の原因として、
肥満が挙げられていますので、
肥満気味の人はダイエットをして減量しましょう。
仰向けで寝ると、気道が狭窄しやすいので、
横向きで寝る習慣をつけると良いでしょう。
また、アルコールは睡眠を浅くしますので、寝酒はNGですし、
喫煙は気道の炎症を起こしやすくなりますので、
禁煙すると睡眠時無呼吸症候群のリスクは下がります。
これらの予防法を実践しても、
睡眠時無呼吸症候群になってしまった場合、
早めに病院を受診して、医師に相談しましょう。