若い世代に増える尿路結石。尿路結石の原因と予防法を知りましょう。
尿路結石とは
尿路結石とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道等、尿路の
どこかに石ができる病気です。
石がどこにできるかによって、
腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と
呼び方が変わります。
尿路結石の石は、シュウ酸カルシウム結石で、
尿の中のカルシウムとシュウ酸が結合し、
結石に成長したものです。
尿路結石の症状は、血尿と疼痛です。
痛みの部位は、結石がある位置によって異なりますが
わき腹や腰、側背部に起こることが多く、
尿管結石の場合は「脂汗が出るほど」の
激痛に襲われますが、腎臓結石や膀胱結石の場合は、
痛みを感じないこともあります。
血尿が出ていても、痛みを感じないからといって、
治療をしないと、結石が腎臓や尿管を傷つけてしまい、
腎機能を悪化させる原因になりますので、
血尿が出ている場合は、
痛みが少なくてもすぐに病院を受診しましょう。
それが腎臓で結晶化して結石に成長したもの。
原因は、肉類や糖質のとりすぎ、カルシウム不足、
過度の飲酒などといわれています。
若い人に急増する尿路結石
もともと尿路結石は、
男性は30~50代、女性は50代以降に多く、
男女比は2.4対1と男性が多いという特徴がありましたが
尿路結石を患う人が増え、
さらに若い世代で尿路結石になる人が急増しているんです。
尿路結石の10万人当たりの患者数は、
昭和40年は44人だったのに対し、
平成17年は134人と約3倍にも増えています。
尿路結石の患者数自体も増え、
また若い世代の患者が急増している理由に、
食生活の欧米化があると言われていて、
動物性たんぱく質や脂肪、塩分、糖分を取りすぎると、
結石ができやすいとされています。
本来、結石の原因であるシュウ酸とカルシウムは
腸の中で結合して、便に排泄されますが、
肉類など脂肪分が多い食事を取っていると、
脂肪酸とカルシウムが結合し、
シュウ酸が余ってしまいます。
余ったシュウ酸は、尿中へ吸収されて、
尿中のカルシウムと結合し、結石になるのです。
尿路結石予防や再発予防
一度尿路結石になると、
約半数が再発すると言われていますので、
尿路結石にならないように日常生活の中で
注意していきましょう。
尿路結石予防には、
水を1日2リットル以上飲むことや
食事内容に気をつけることなどがあります。
尿路結石症診療ガイドラインでは、
食事以外に1日2リットル以上の水を飲むことを
推奨しています。
水をたくさん飲むことで、結石ができにくくなります。
また、肉類中心の食生活は止めて、
魚や野菜を中心とした食事を取り、
塩分や脂肪分は控えめにして、
プリン体を多く含む食品も避けましょう。
また、以前はカルシウムを多くとると、
結石ができやすくなると考えられていましたが、
カルシウムが不足すると、
腸内のシュウ酸が余ってしまい、
尿中にシュウ酸が吸収されやすくなりますので、
カルシウムも積極的に取るようにしてください。