痛みがない心筋梗塞がある?無痛性心筋梗塞について知りましょう。
痛みがない心筋梗塞?
心筋梗塞は、心臓の細胞に酸素や栄養分を送る冠動脈が、
血栓などによって詰まってしまう病気ですが、
心筋梗塞の症状として、強い胸部の痛みがあります。
この胸部の痛みは、
「胸を押しつぶされるような痛み」や
「焼き火箸を突き刺されるような痛み」と
表現されるほどの激痛で、
肩や背部にまで痛みが広がることもあります。
強い胸の痛みが15分以上続くようであれば、
心筋梗塞の疑いが強いので、
すぐに救急車を呼びましょう。
しかし、心筋梗塞の特徴である
胸の痛みがない心筋梗塞もある事を知っていますか?
痛みが伴わない心筋梗塞を
「無痛性心筋梗塞」と呼んでいます。
この無痛性心筋梗塞は、
心筋梗塞全体の15~25%程度を占めていて、
無痛性心筋梗塞が原因で年間に
1~2万人もの人が死亡していると言われています。
無痛性心筋梗塞のサインは?
通常の心筋梗塞の場合、
強い胸の痛みという自覚症状が伴いますので、
症状が現れたらすぐに救急車を呼び、
治療を受けることができますが、
無痛性心筋梗塞の場合は本人も気づかないうちに、
心筋梗塞が起こり進行していますので、
何の症状もないまま突然死してしまうことも多いので、
とても恐ろしい病気なんです。
無痛性心筋梗塞は痛みがないからといって、
軽症であるとは限りません。
なぜ痛みがないかというと、
患者さんの痛覚に問題があるからなんです。
無痛性心筋梗塞を発症する人には、高齢者や糖尿病患者が多く
痛みの信号を脳へ送る機能に何らかの異常が起こっているため
心筋梗塞が発症しても痛みを感じないのです。
無痛性心筋梗塞は、自覚症状がないため、
治療開始が遅れてしまうことが一番の問題ですが、
全く自覚症状が出ないというわけではありません。
無痛性心筋梗塞になると、冷や汗やめまい、倦怠感、
顔面蒼白などの症状が現れることが多いようです。
特に、冷や汗は無痛性心筋梗塞の
特徴的な症状と言えるでしょう。
心筋梗塞が起こった時は、
心臓が血液を送り出すポンプ機能が低下しますが、
少しでも重要な臓器に血液を送り届ける必要があるため、
末梢の血管を収縮させるという変化が起こりますが、
この時に汗腺も一緒に収縮するため、
冷や汗が出てくるのです。
高齢者や糖尿病の人が、
狭心症や心筋梗塞の既往があったり、
血液検査や心電図検査などで
心疾患のリスクを指摘されていて、
突然冷や汗をかくことがあったら、
無痛性心筋梗塞を疑ったほうが良いでしょう。
無痛性心筋梗塞の予防法は?
無痛性心筋梗塞の予防は、
自覚症状が乏しいため非常に難しいものです。
自覚症状がないと、
なかなか予防行動を継続しにくいですよね。
ですが、通常の心筋梗塞と同様に、
動脈硬化が原因ですので、
高血圧や脂質異常症などの生活習慣病がある人は、
生活習慣を改善し、健康的な生活を送る必要があります。
また、糖尿病の人や高齢者は
自分が無痛性心筋梗塞のリスクが高いことを
自覚しておく必要がありますし、定期的な健康診断を受けて
動脈硬化が進行していないかなどを把握しておくと
良いでしょう。