タバコが原因の厄介な病気であるCOPD。COPDは禁煙して予防しましょう。
タバコが原因の恐ろしい病気
喫煙の影響により、
呼吸器系の疾患にかかりやすくなることは、
皆さんご存知だと思います。
喫煙が原因の病気というと、
肺がんや気管支喘息などが思い浮かぶかもしれません。
喫煙が原因の病気の中で、最もやっかいな病気は、
「慢性閉塞性肺疾患」です。
「慢性閉塞性肺疾患」というと、
あまりピンと来ないかもしれませんね。
でも、COPDというと聞いたことがあるかもしれません。
慢性閉塞性肺疾患（COPD）は、
「死よりも恐ろしい病気」と言われている病気です。
日本では死因の10位あり、
年間約15000人が亡くなっていて、
世界では年間300万人がCOPDが原因で死亡しています。
WHOは、今後10年間でさらに30％増加するとしていて、
今後患者数が増えていくことが予測される病気です。
COPDってどんな病気？
COPDとは、以前は肺気腫や慢性気管支炎などと
呼ばれていた病気です。
タバコの煙などにより、
気道や肺胞などで炎症が生じて、肺の働きが低下し、
免疫システムが働くことで、咳や痰、
息切れなどの症状を引き起こします。
COPDの原因は、ほとんどが喫煙です。
COPD患者の90％以上が喫煙者であり、
非喫煙者に比べて喫煙者はCOPDの発症リスクが
6倍以上と言われています。
また、20年以上の長期間にわたり喫煙を続けた場合、
さらに発症リスクは上がります。
COPDの症状である咳や痰、息切れなどが起こっても、
それほど日常生活に影響がないと思うかもしれませんね。
でも、COPDが進行すると、発症前と同じような
日常生活を送ることが困難になります。
COPDが進行した場合、
痰を伴う咳が止まらなくなるだけでなく、
息苦しさのあまり少ししか動くことができず、
外出ができなくなったり、
入浴すら困難になることがあります。
さらに、体重減少や気胸、
心不全などを引き起こすこともあるんです。
COPDの治療と予防法
COPDの予防は、ずばり禁煙です。
少しでも早く禁煙することが、
COPDの最大の予防法になります。
では、COPDの治療はどんなものでしょう？
初期の場合、まずはやはり禁煙を成功させることが、
治療の第一歩となります。
COPD患者は、長期にわたり喫煙を続けてきた人が多いので、
息苦しくてもなかなか喫煙を止められないという人が
多いんです。
また、気管支拡張剤などの薬物療法と
運動療法（リハビリテーション療法）を行います。
これらの治療を行ってもCOPDが進行してしまい、
重症化した場合は、
在宅酸素療法（HOT）を導入しなければいけません。
在宅酸素療法は、
自宅に酸素吸入のための医療機器を持ち込んで、
高濃度の酸素を吸入することで、
呼吸を補助する治療法です。
在宅酸素療法を導入すると、日常生活が制限されますし、
外出時も携帯用酸素ボンベを引いて
酸素を吸入する必要があり、
また在宅中でも火の取り扱いを注意しなければならず、
日常生活が制限されるようになります。
COPDの恐ろしいところは、
治療をしても完治しないという点です。
治療をすれば、COPDの進行を止めたり、
遅くすることはできますし、
呼吸を楽にすることは可能ですが、
肺の機能を戻すことはできず、
一生治療を続けていき、息苦しさや咳も
一生付き合っていかなければいけないんです。
「死よりも恐ろしい病気」であるCOPDを発症する前に、
禁煙してCOPDを予防するようにしましょう。
