ダイエット飲料が肥満を呼ぶ!?『ゼロカロリー』人口甘味料の落とし穴
米国の肥満増加とゼロカロリーの関係
ダイエット指向が強く、肥満は社会人失格と言う風潮のアメリカで、
今またウエイトオーバーの人が増えていると言います。
その原因の多くは、意外なことにゼロカロリーを謳ったダイエット
飲料にあるのではないかと考えられています。
ゼロカロリー飲料の「甘み」とは
ダイエットコークをはじめとするゼロカロリーの清涼飲料水が、
各メーカーから競うように発売されています。
日本で流行のノンアルコールドリンクも、ゼロカロリーが主流に
なってきました。
ゼロカロリーと銘打っている飲料には、アスパルテームや
スクラロースなどの人工甘味料が使用されます。
天然由来ですが糖質ではなく、砂糖の数十倍から数百倍もの
甘さがあります。
そのため、ほんの少々使用すれば甘みを与えることができ、
限りなくゼロに近いカロリーで済むのです。
肥満防止など健康へのリスクが軽減できるとして、
各方面で多く採り入れられ人気を博しています。
ダイエット効果を疑問視する声も
2011年に「ゼロカロリー飲料を1日2本以上飲んでいる人は、
飲んでいない人に比べてウエストサイズが約10年間で
平均5倍増加した」という米テキサス大学などの研究チームに
よる調査結果が報告されました。
この調査結果では、直接の原因はまだ明らかになっていません。
これらの飲料(甘味料)そのものがウエストサイズ増加の
原因になったのか、もともと高カロリーの食事習慣のある
人だからこそ、ゼロカロリー飲料を好んで飲むせいなのか。
飲料がゼロカロリーであることに安心して、無意識に
食べ過ぎ飲み過ぎになっていることも考えられます。
太りやすい「省エネ」体質になる可能性
もう一つの研究では、ラットを使った実験の結果が
報告されています。
ラットを、人工甘味料を与えるグループと砂糖を与える
グループに分けて、2週間後に体重を量ってみたところ、
人工甘味料を与えたグループの方に、より体重の増加が
みられました。
しかも、人工甘味料を与えるのを中止してからも、体重は
増加し続けたと言います。
つまり、この実験では、人工甘味料を与えたラットは
「太りやすい」体質になったということがうかがえます。
これは、本来「甘いと感じる味」と一緒に、それ相当のカロリーが
体内に入ってくるはずのところ、実際には甘いだけでカロリーは
ないため、少ないカロリーを効率よく消費するように、体質が
変化したのではないかと考えられています。
もし、同じようなことが人間の体内でも起きるとしたら、
ゼロカロリー飲料を日常的に飲むことで、体質的に
太りやすくなってしまうのかもしれません。
もちろん、人間とラットでは条件が異なりますので、
一概には言い切れませんが、ダイエット飲料全盛のアメリカで、
今また肥満が増加していることと無関係ではないでしょう。