蚊が媒介する感染症と、その予防法を知りましょう。とにかく蚊に刺されない事が大切です
国内で初のジカ熱患者を確認
ジカ熱という感染症を聞いたことはありますか?
2014年1月に、
日本で初めてジカ熱の患者が確認されました。
国立感染症研究所によると、ジカ熱に感染したのは、
フランス領ポリネシア(タヒチ)のボラボラ島から
帰国した2名の日本人で、帰国後にジカ熱を発症し、
感染研がジカ熱と診断しました。
ジカ熱とは蚊が媒介する感染症で、
症状は皮膚の発疹やかゆみ、発熱、関節痛、筋肉痛、
手足のむくみ、下痢、目の充血などがあり、
はしかや風疹に似ていて、
重症化することはあまりありません。
ECDC(ヨーロッパ疾病対策センター)によると、
2013年11月頃からタヒチでジカ熱が流行しているそうですが、
タヒチ以外のアフリカやアジア、
西太平洋地域でも感染が確認されています。
帰国した後に、ジカ熱が疑われるような症状が現れたら、
医療機関を受診しましょう。
その際に、渡航先や渡航期間などを医師に伝えると、
診断がスムーズになると思います。
蚊が媒介する感染症
ジカ熱のほかにも、蚊が媒介する感染症はたくさんあります。
その中で特に注意すべきものは5つです。
1つ目がウエストナイル熱です。
ウエストナイル熱は、アフリカやヨーロッパ、中東、
中央アジア、西アジア、アメリカなど
広範囲で感染する危険のある感染症で、
2~14日の潜伏期間の後、発熱や頭痛、食欲低下、
関節痛などの症状が現れます。
重症化することは稀ですが、
高齢者は重症化しやすい傾向がありますので、
注意が必要です。
2つ目がチクングニア熱です。
チクングニア熱は、アフリカや南アジア、
東南アジアが発生地域で、発熱や関節痛、
発疹などの症状が現れます。
これらの症状が落ち着いた後も、
数週間から数年にわたり、
リウマチのような関節痛が続くこともあります。
3つ目がデング熱です。
東南アジアや南アジア、中南米で流行する感染症で、
発熱や関節痛、頭痛、筋肉痛などの症状が出ます。
通常、デング熱の致死率は高くありませんが、
デング出血熱に移行すると、ショック状態に陥りやすく、
死に至ることもあります。
4つ目は日本脳炎です。
日本や中国、東南アジア、南アジアが発生地域で、
発熱、めまい、嘔吐、意識障害などが現れますが、
日本脳炎はワクチン接種で予防可能な病気です。
5つ目がマラリアです。
熱帯や亜熱帯に広く分布している感染症で、
三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア、
熱性マラリアの4種類がありますが、
熱性マラリアは治療が遅れると死に至ることもあります。
これら5つの感染症は、感染症法で四類感染症に分類されています。
予防は蚊に刺されないこと
ジカ熱を含めた上記の蚊が媒介する感染症のうち、
ワクチンで予防できるのは日本脳炎のみです。
マラリアは流行地域に行く場合、予防内服が効果的ですが、
副作用が大きいこともあり、あまりおすすめはできません。
蚊が媒介する感染症を予防するためには、
とにかく蚊に刺されないようにするしかありません。
蚊に刺されないようにするには、
長袖・長ズボンを着用して肌の露出を控えること、
虫除けスプレーを使用すること、
殺虫剤や蚊取り線香などを利用すること等が挙げられます。
海外に行く前には、
渡航先で流行している感染症をチェックして、
予防対策を十分に取るようにしましょう。