有名ミュージシャンにも多発!前触れもなく音が聴こえなくなる『突発性難聴』
昨日まで正常に機能していた耳が聴こえない…
それはある日突然、前触れもなしに起こります。
片耳がふさがっている、あるいは詰まっているような感じが
して聴こえにくくなり、同時に耳鳴りやめまい、吐き気などを
感じることもあります。
スガシカオやサカナクションのボーカル山口一郎、大友康平ら
多くのミュージシャンが闘病を告白したことでも有名になった
『突発性難聴』。
ミュージシャンに患者が多いことから、日頃大きな音に
さらされていることが関係しているのかと思いきや、
そのような病気は別に存在し、症状が異なります。
突発性難聴についてはまったくの原因不明であり、難病です。
若干の傾向は読み取れるが、発症リスクも不明
50~60歳代に比較的多く見られますが、男女差はありません。
食べ物の好き嫌いやその他食生活全般、飲酒歴、喫煙歴を
みても特に関係性は見出せません。
既往歴にもほとんど関係はありませんが、生活習慣病にかかった
ことがある人に、突発性難聴の発症が若干多く見られます。
しかし、生活習慣病の患者であれば様々なリスクを抱えて
いたことが想像され、そのうちのどれがどのように作用したかは
解明されていません。
また、耳管の血流が悪い可能性も挙げられますが、推測の域を
出ていません。
他には、日々疲れやストレスを感じていた人に発症が多い、
発症前に風邪のような症状がよく見られる、などの傾向があります。
早めの受診が回復の決め手
このように原因不明であるため、特効薬も確実な治療法も
存在しませんが、発症から2日以内に適切な治療を開始した
患者の約80%は、聴力が戻るとされています。
聴こえにくいまま放置しておくと、回復せず完全に聴力を
失ってしまうこともある、厄介な病気です。
薬物治療が行われることが多く、主にステロイド剤を内服薬や
点滴などで投与します。
ただし、適量や投与の間隔が定かでなく、様子を見ながら投与を
続けることになります。
治療が功を奏すれば、驚くほど急激に回復することも珍しくなく、
可能ならば入院して、集中的に治療を受けるのが理想的です。
一度治ったら再発しないのが大きな特徴
回復までの間、不自由はしますが反対側の耳は聴こえる
状態ですので、気をつけながら生活します。
医療機関での治療を受けながら、疲労や睡眠不足を避け、
なるべくストレスを遠ざける努力が必要です。
治ってしまえば、突発性難聴は再発しません。
と言うことは、もし繰り返すようならば、メニエール病や
外リンパ瘻、聴神経腫瘍などといった別の病気であると
言うことです。