親指を動かすと痛みがある、それはドケルバン病かもしれません。
ドケルバン病とは?
親指を動かすと痛みを感じるという人はいませんか?
もしかしたら、それはドケルバン病かもしれません。
病名だけ聞くと、
なんとなく難病を思い浮ベル人もいると思いますが、
ドケルバン病とは、
手の親指を動かす筋肉の短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が、
手首の背側にある腱鞘(トンネルのような部分)で
炎症を起こす病気です。
炎症が起こることで、親指の動きがスムーズにできなくなり、
親指を動かすと痛みを感じます。
また、手首の親指側に腫れや痛みが現れます。
重症化すると、関節が変形することもあります。
このドケルバン病の原因は、親指の使いすぎです。
親指を使いすぎることで、過剰な負荷がかかり、
腱鞘の壁が厚く変化したり、腱の表面が傷みます。
これが刺激となって、さらに腱鞘が肥厚する、
腱が傷むようになる等の悪循環をもたらします。
ドケルバン病は、昔から育児中の女性に多い病気でした。
赤ちゃんを抱っこするときには、
お尻を手のひらで支えるようにして抱っこしますが、
その際に親指が突っ張っていることが多く、
長期間にわたり何度も抱っこしていることで、
親指から手首へつながる腱に過度な負担がかかり、
ドケルバン病になるのです。
男性や若い世代に急増中
でも、最近はサラリーマンや10~20代の若い世代で、
ドケルバン病になる人が増えています。
その原因は、スマホやパソコンの使いすぎです。
スマホを使うとき、片方の手で持って、
もう片方の手で操作しますか?
それとも、スマホを持っている手の親指で操作しますか?
スマホを持つ手と捜査する手が同じという人は、
ドケルバン病予備軍と言えるでしょう。
スマホを長時間操作していると、
思った以上に親指を動かしているものです。
また、デスクワークでパソコンのマウスやキーボードを
操作することが多い人も、知らないうちに
親指に負担がかかっている可能性がありますので要注意です。
さらに、お箸やペンを
正しく持てない人もドケルバン病予備軍です。
正しく持っていれば、親指にそれほど負担はかからないのですが
親指を突っ張らせるような持ち方をしている人は
注意したほうが良いでしょう。
一度、ご自分のお箸やペンの持ち方をチェックしてみてください。
ドケルバン病のチェックと治療法
ドケルバン病かどうかのチェックは、簡単にできます。
まず、肘を伸ばして、親指が上・小指が下に来るようにして、
親指を中に入れて手を握ります。
その手をそのまま小指側(下側)に倒してみましょう。
この時に、痛みを感じるようであれば、
ドケルバン病の可能性がありますので、
医療機関を受診したほうが良いでしょう。
ドケルバン病の治療法は、やはり安静にして
親指をできるだけ使わないようにすることが最も大切です。
「できるだけ使わないように」といっても、
日常生活を送っていると、
親指は無意識に動かしてしまう部分ですので、
テーピングやサポーターを用いたり、
場合によっては副木を当てて固定することもあります。
安静にしたり、
ステロイド注射をしても痛みが改善しない場合は、
腱鞘切開手術が必要になることもありますので、
ドケルバン病の疑いがある時は、
早い段階で親指の安静を保ち、
重症化しないように注意しましょう。