イメージ画像

慢性腎臓病と人工透析について知りましょう。慢性腎臓病の進行を防ぐためには、ウォーキングが有効です




慢性腎臓病とは?

140610-3

慢性腎臓病は、慢性的な経過をたどる腎臓病の総称です。

慢性腎臓病は、高血圧や糖尿病などと比べると、
あまり普段は耳にしない病名ですが、
近年新たな国民病として注目されている病気で、
日本には慢性腎臓病の患者が
1330万人もいると推計されています。

これは、20歳以上の日本人の8人に1人が
慢性腎臓病であるという計算になります。

生活習慣病として有名な糖尿病は、
平成24年の国民栄養・健康調査によると
患者数(糖尿病が強く疑われる人)は890万人ですので、
慢性腎臓病は糖尿病以上に患者数が多いことになります。

腎臓は、老廃物を体外へ排泄したり、
体内の水分や電解質のバランスを保ち、
血圧を調節する役割を果たしていますが、
慢性腎臓病になるとこれらの機能が低下してしまいます。

慢性腎臓病の初期段階は、自覚症状がほとんど出ないため、
自分では気がつかないうちに少しずつ進行していきます。

その後、むくみや貧血、倦怠感、息切れ、
夜間頻尿などの症状が出てきて、
ようやく慢性腎臓病であることに気づくのです。

しかし、ある程度症状が進行してしまうと、
腎臓は治療しても元の機能を取り戻すことができなくなり、
透析を受ける必要が出てきます。

人工透析とは?

140610-4

腎臓の機能が低下すると、尿量が減少もしくは尿が出なくなり
体に老廃物や水分が過剰に蓄積し、
電解質のバランスが崩れてしまいますので、
人工透析という治療で腎臓の代替をし、
老廃物や水分を体外へ排出し、
電解質バランスを整えなくてはいけません。

人工透析には血液透析と腹膜透析の2種類がありますが、
現在の日本では95%以上が血液透析となっています。

血液透析をするには、
まず体表近くに動脈と静脈を交通させた
シャントと呼ばれる部分を手術で作成しなくてはいけません。

また、シャントを保護するために、
日常生活内でも重いものを持たない、
シャント側の腕を下にして寝ないなどの注意が必要です。

そして、実際の血液透析ですが、
基本的に1回4~5時間の透析を病院やクリニックで
週3回行わなくてはいけません。

また、健康な人であれば168時間(7日間)かけて
ゆっくり行う腎臓での体内浄化を、
人工透析の場合は12~15時間という短時間で行うため、
体への負担が大きくなります。

また、1回4~5時間週3回の血液透析は、
必ず行わなくてはならず、
1回の透析を行わなかっただけで命に関わってきますので、
行動が制限されてしまいます。

最近は透析患者にも対応したプランなども出てきていますが、
基本的に海外旅行に行くことは困難ですし、
全てのことに優先させて1回4~5時間週3回の
血液透析の時間を確保する必要があります。

さらに、普段の食事も水分制限、塩分制限、
カリウム制限など制限が多くありますので、
慢性腎臓病の人は、できるだけ早く治療を始めて、
腎臓の機能を維持し、
人工透析に至らないようにしなければいけません。

慢性腎臓病になったらウォーキングを!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

慢性腎臓病の進行を防ぎ、人工透析導入を避けるためには、
ウォーキングが効果的であるという研究結果が出ました。

台湾の中国医薬大学付設医院での研究によると、
慢性腎臓病の患者が週1~2回ウォーキングをすると、
死亡率は17%減少し、
透析や腎臓移植は19%減少したそうです。

週3~4回に増やすと、死亡率は28%、透析や移植は27%減、
週5~6回では死亡率が58%、透析や移植が43%、
週7回以上だと死亡率は59%、
透析や移植は44%減とという結果になっています。

この結果を見れば、慢性腎臓病の進行を防ぐためには、
いかにウォーキングが有効かがわかりますよね。

人工透析の導入を避け、健康に長生きするためにも、
慢性腎臓病の人は週5~6回のウォーキングを始めましょう。





タグ

あわせて読みたい関連記事