「肥満=健康に悪い」というのは間違い?健康と脂肪について知りましょう。
皮下脂肪と内臓脂肪の違いって?
「太ももが太くなった!」、
「お腹周りのお肉が気になる。」と
体に脂肪がついていることを気にされている方も
多いと思います。
体型維持の敵である脂肪には、2種類あるって知っていますか?
脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪に分けることができます。
内臓脂肪は、メタボリックシンドロームと
共に注目された脂肪です。
その名前のとおり、
内臓脂肪は内臓の周囲についている脂肪で、
皮下脂肪は皮膚に近い皮下についている脂肪です。
メタボリックシンドロームの健診で、腹囲を測りますので、
お腹周りについている脂肪が内臓脂肪と思いがちですが、
お腹周りについていて、手でつまめる脂肪は皮下脂肪です。
内臓脂肪は、内臓周囲についているので、
手でつまむことはできません。
内臓脂肪は、生活習慣病につながりやすく、
女性よりも男性が蓄積しやすいんです。
ただ、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて蓄積されやすい分、
燃焼しやすいというメリットがあります。
皮下脂肪は、体型に影響を与えますが、
生活習慣病などの病気にはあまり影響がありません。
そして、男性よりも女性に蓄積しやすく、
蓄積されるまで時間はかかりますが、
その分燃焼しにくいという特徴があります。
脂肪はある程度あったほうが長生き?
肥満は生活習慣病に直結するものですので、
「脂肪=悪いもの」という認識が広がっていますが、
この認識を覆すような研究結果があるんです。
肥満度を表す数値にBMIがありますが、
BMIは18.5~25未満が普通体型とされていて、
BMI=22が標準です。
つまり、BMIが25以上であれば、
「あなたは肥満です。健康に悪いですよ!」
ということになります。
でも、2013年に
アメリカの疾病対策センターが発表した研究結果で、
「BMIが25~30未満のグループの方が、
BMI18.5~25未満のグループよりも死亡リスクが6%低い」
ということがわかったんです。
普通体型のグループよりも、
軽度の肥満グループの方が死亡リスクが低いなんて、
なんだか不思議ですよね。
なぜ普通体型よりも軽度肥満のほうが、
死亡リスクが低いのかは明らかになっていませんが、
ある程度エネルギーが体の中に蓄えられていると、
体への負担が少ないためではないかと考えられています。
女性はぽっちゃりのほうが良い?
また、女性は閉経後のことを考えると、
ある程度皮下脂肪はつけておいたほうが良いんです。
閉経すると、女性ホルモンの分泌が極端に減ってしまいます。
このホルモンバランスの乱れが、
更年期障害を招くことになります。
また、女性ホルモンが減少することで、
骨粗鬆症を引き起こします。
閉経して卵巣からの女性ホルモンが少なくなるのは、
体の構造上仕方のないことなのですが、
それでも健康のためには女性ホルモンは必要になります。
では、閉経後はどうすれば良いのでしょう?
そこで役立つのが皮下脂肪です。
日本応用老年学会理事長の柴田氏によると、
脂肪はエネルギーや栄養素がたっぷり貯蔵されていて、
皮下脂肪から女性ホルモンが分泌されるようになるとのことです。
もちろん、皮下脂肪も過剰にあると健康には悪いですし、
閉経後は女性でも皮下脂肪ではなく
内臓脂肪がつきやすくなりますので、
肥満ではなく「ある程度」に留めておいてくださいね。