寝ても寝ても眠くなる病気「特発性過眠症」について知りましょう。
睡眠はとても重要です
皆さんの睡眠時間は平均何時間ですか?
理想的な睡眠時間は、7~9時間と言われています。
睡眠時間が短いと、翌日の仕事や勉強の効率が悪くなり、
思考能力が低下するだけでなく、睡眠不足が続けば
健康に悪影響を与えることがわかっています。
1日7~9時間の睡眠時間を確保したくても、
忙しいとなかなか睡眠時間を確保できないですよね。
ある調査では、東京は世界の中で
最も睡眠時間が短いことがわかっています。
東京の平均時間は5時間46分で、
調査を行った都市の中で最も睡眠時間が短かったんです。
2位はソウルで5時間55分、
3位がドバイで6時間32分となっています。
逆に睡眠時間が長かったのは、
オーストラリアのメルボルンで7時間5分、
2位がロンドン、3位がデンバーでした。
睡眠時間よりも睡眠の質が大切とも言われていますが、
やはりある程度は睡眠時間を確保しなければ、
良質な睡眠は取れません。
1日24時間というのは決まっているので、
忙しい人は睡眠時間を長く取るために
時間のやりくりが難しいかもしれませんが、
7時間は睡眠時間を確保できるようにしたいですね。
昼間に突然眠くなる特発性過眠症とは?
忙しい人は、できるだけ睡眠時間を確保したいと思い、
長時間眠れる人を羨ましく思うかもしれません。
でも、あまりに長い時間眠ってしまっても、
それはそれで困りますよね。
世の中には、そういう病気があるんです。
その病気を特発性過眠症と言います。
特発性過眠症は、夜間にしっかり8時間以上眠っても、
昼間に突然眠くなってしまう病気です。
昼間に強い眠気の発作に襲われる病気には、
ナルコプレシーがありますが、
ナルコプレシーは眠気の発作に襲われて寝入ってしまっても、
短時間で覚醒し、寝起きもスッキリしているのが特徴です。
でも、特発性過眠症は寝入ってしまうと、昼間でも1時間以上、
場合によっては3~4時間も眠り続け、寝起きも悪く、
寝ぼけた状態のままで行動してしまうこともあるんです。
ナルコプレシーは浅い眠りのレム睡眠であるのに対し、
特発性過眠症は深い眠りのノンレム睡眠が
多くを占めていることがわかっています。
特発性過眠症の治療法は?
特発性過眠症になると、学校や仕事がままならず、
社会生活を続けていくのが困難になってしまいます。
また、周囲の人に「怠け者」、「サボっているだけ」
との誤解を受けることがしばしばあります。
そのため、特発性過眠症になってしまったら、
できるだけ早く治療をして治したいのですが、
残念ながら現在は有効な治療法が確立されていないんです。
できるだけ日中の睡眠発作を弱くするために、
睡眠習慣を見直して改善することと
モダフィニルやメタンフェタミンなどの
精神刺激薬を内服することがある程度有効と言われています。
そのほか家族の協力と周囲の理解も必要です。
不眠ばかりが睡眠障害として取り上げられやすいのですが、
このような過眠も睡眠障害のひとつで、
社会生活が困難になってしまうものもあるんですね。