ダイエットに、生活習慣病予防に、ブーム続くトマトのメタボ予防。効果のほどは?
売れに売れているトマト関連食品
トマトジュースのメタボ予防効果がテレビの情報番組で紹介されて
以来、トマトブームは今も衰えを見せる気配がありません。
トマトジュースは売れ続け、トマト味のレトルト食品やお菓子類なども
増えました。
食品メーカーのカゴメが、創業以来の最高益を叩き出したという
ニュースも報じられ、改めてトマトが「きてる」ことを裏づけました。
トマトの赤はリコピンの色
「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺もあることから、
昔の人はトマトの成分や科学的な効果は知らなくても、身体によい
食べ物だということを経験で知っていたのでしょう。
トマトに多く含まれるリコピンという成分は、ファイトケミカルとも
呼ばれる色素成分「カロテノイド」の一種です。
カロテノイドは他にもホウレンソウやカボチャ、ニンジンなど多くの
食品に含まれますが、トマトのリコピンはとりわけ強い抗酸化作用を持ち、
老化や生活習慣病の原因ともなる活性酸素の生成を抑制します。
油と一緒に調理すると吸収されやすくなり、熱にも強いので火を
使って調理しても、損なわれることがありません。
膨らむ医学的な可能性
リコピンについての研究は、様々な病気の発生や進行を抑える可能性を
模索して、日夜進んでいます。
既に効果が確認されているものとしては、抗酸化作用による成人病予防や
美容効果の他に、痴呆予防(老化に伴う学習能力・記憶能力低下を
遅らせる効果)、動脈硬化予防(悪玉コレステロールの酸化抑制)、
糖尿病改善(インスリンの効き目を悪くさせない効果)など数え
上げればきりがありません。
他にも、抗アレルギー作用や運動疲労の軽減、眼病予防への効果など、
多くの研究が行われています。
メタボ予防に役立つトマトの効果とは?
ここまでトマトの人気が高まったのは、やはり「ダイエット効果」
「メタボリック症候群予防効果」がマスコミで紹介されたことが大きな
要因でしょう。
トマトに含まれるリノール酸誘導体の一種に、脂肪を燃焼させ血中と
肝臓の中性脂肪を減少させる効果があることがわかったという、京都大学
などの研究グループによる発表が、そのきっかけでした。
そのため、一時はトマトジュースが売り切れるほどの社会現象となり、
現在では効果的にトマトの成分を採ることができるサプリメントや、
ダイエット本なども次々と発売されています。
この研究結果は、あくまでもラットを使った実験で得たものであり、
人間への効果のほどは、実はまだ定かではありません。
しかし、トマトを多く摂取する地域では、動脈硬化の割合が低いという
調査結果もあり、何らかの影響があることは間違いありません。
1年中おいしく食べられるトマト。
ここのところ価格も安定しており、メニューの幅も広がる優秀な食品です。
毎日の食卓に取り入れて、トマト効果を実感してみませんか。