卵巣がんは遺伝に関係している?卵巣がんについて知りましょう。
卵巣がんはどんな病気?
女性特有の病気である卵巣がんは、
一体どんな病気なのでしょうか?
卵巣がんは40代から罹患する人が増え、
50~60代でピークを迎えます。
卵巣がんにかかるリスクは82人に1人と
それほど高くはありませんが、
卵巣がんの5年生存率は55.0%とやや低めになっています。
卵巣にできる腫瘍は、85%が良性のものとされています。
また、腫瘍は通常、良性と悪性の2種類に分けられますが、
卵巣の場合は良性と悪性だけでなく、
比較的悪性度が低い「境界性悪性腫瘍」と
分類されるものがあります。
卵巣がんの特徴は、
最も大きな腫瘍をが作られやすいことと
最も多くの種類の腫瘍が作られることの2つがあります。
卵巣がんはもともと日本人には少ないがんでしたが、
食生活の欧米化に伴い、
卵巣がんの罹患率は増加傾向にあります。
卵巣がんの症状は?
卵巣がんは、ほかのがんと同様に
「早期発見・早期治療」が重要となります。
ただ、卵巣がんは「サイレントキャンサー(静かながん)」
と呼ばれていて、初期症状が乏しく、
発見が遅れてしまうことが多いんです。
卵巣がんは進行度によって4段階に分けられます。
第1段階は卵巣に悪性腫瘍ができるものの、
ほかの臓器には転移していない状態です。
この段階では、まだ自覚症状はありません。
第2段階が卵管や子宮、膀胱、直腸など
周囲の臓器に転移している段階です。
第2段階になると、不正出血や頻尿、
便秘などの症状が出始めますが、このような症状があっても、
まさか卵巣がんとは思わないことも多いんです。
第3段階が腹部全体やリンパ節にがんが転移している状態です。
この段階までくると、
体重減少や発熱、倦怠感などの症状が現れます。
第4段階になると、肝臓や肺など重要臓器や全身に転移します。
第1段階では自覚症状がなく、
第2段階でも卵巣がんに直接結びつくような症状ではないため、
卵巣がんを発見するのが遅れてしまい、
気づいた時には深刻な状態になっていることも珍しくないんです。
遺伝と関係がある?
卵巣がんは食生活の欧米化に伴って、
日本人にも増えてきたがんですが、
卵巣がんの原因は食生活だけではありません。
遺伝にも関係があるんです。
遺伝性乳がんを知っていますか?
ハリウッド女優のアンジェリーナジョリーさんが、
遺伝性乳がんを予防するために、
両乳房を切除したことで広く知られるようになりました。
この遺伝性乳がんは、
BRCA1遺伝子かBRCA2遺伝子を持っていることで
発病するリスクが高まるがんです。
そして、BRCA1遺伝子かBRCA2遺伝子を持っていると
遺伝性卵巣がんにもかかるリスクがあるんです。
この遺伝子を持っていると、
遺伝性卵巣がんにかかるリスクが50%とされています。
また、遺伝性卵巣がんは卵巣がん全体の5~10%にも及びます。
もし、近親者で卵巣がんや乳がんにかかった人がいる場合は、
BRCA1/2遺伝子検査を受けて、
自分がその遺伝子を持っているかどうかを確認したほうが良いでしょう。
また、定期的にがん検診を受けて、
できるだけ早くがんを発見・治療できるようにしましょう。