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突然死の原因はもしかして、これ?ブルガタ症候群について知りましょう。




ブルガタ症候群とは?

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ブルガタ症候群という病気を聞いたことはありますか?

ブルガタ症候群とは、心臓の病気の1つです。

1922年にスペインの医師である
ペドロ・ブルガタらによって発見されました。

ブルガタ症候群の症状は心室細動です。

心室細動とは不整脈の1つで、
心臓の心室が細かく震えることで
全身に血液を送り出すことができない病気です。

通常、健康な心臓は
リズミカルに拡張と収縮を繰り返すポンプ機能で、
血液を全身に送り出していますが、心室細動が起こると、
ポンプ機能が働きませんので、
全身に血液を送り出すことができないのです。

心室細動になれば、血液が全身に行き届かず、
脈拍が喪失し、心停止の状態になってしまいます。

ブルガタ症候群は突然死の原因?

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ブルガタ症候群の恐ろしい点は、
心室細動が突然起こることです。

通常、心室細動が起こるのは、心筋梗塞や狭心症、
心不全などの所見が見られるのですが、
ブルガタ症候群はこれらの所見がなく、
突然心室細動が起こるのです。

ブルガタ症候群による心室細動は夜間に起こりやすく、
通常の場合は心室細動が起こっても、
すぐにもとの正常なリズムで心臓が動き出すため、
一時的な症状で終わるのですが、
稀に心室細動が長く続き、死に至ることもあるんです。

このブルガタ症候群はアジア人、
特に日本人や東南アジアの男性に多く、
患者の男女は9:1と推測されています。

日本には昔から原因不明の突然死を意味する
「ぽっくり病」という言葉がありましたが、
医師や研究者の間では、日本人男性のぽっくり病は
このブルガタ症候群が原因だったのではないかと
推測されているんです。

実際に、今まで心室細動による失神や
心停止からの蘇生などの症状がある
症候性ブルガタ症候群では突然死は年に10%程度見られ、
症状がまったくない無症候性ブルガタ症候群では、
心停止の発作が現れる頻度は年に1%未満となっています。

働き盛りの日本人男性の突然死は、
ブルガタ症候群によるものが多いのかもしれません。

ブルガタ症候群の治療法

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ブルガタ症候群は、いつ心室細動が起こるかわかりませんし、
その心室細動が重症だった場合、
そのまま死に至ることになりますので、
植え込み型の除細動器であるICDを植え込むことになります。

ICDは心室細動が起こった場合、自動で電気ショックを与え、
心臓を元のリズムに戻してくれる働きがあるんです。

ブルガタ症候群の原因の1つには、遺伝子異常がありますので、
家族にブルガタ症候群の人がいる場合や、
今までブルガタ症候群で失神や心停止を起こしたことがある人は
ICDが第一選択になります。

もし、家族に突然死をした人がいる場合は、
ブルガタ症候群の遺伝子を持っている可能性もありますので、
医療機関を受診して、心電図をチェックして、
必要であれば適切な治療を受けるようにしましょう。





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2015年10月10日 | カテゴリー:健康全般

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