潰瘍性大腸炎は便を移植して治す?潰瘍性大腸炎について知りましょう。
潰瘍性大腸炎ってどんな病気?
潰瘍性大腸炎は、最近良く耳にするようになった病気ですよね。
潰瘍性大腸炎は厚生労働省の特定疾患に指定されている難病で、
大腸の粘膜に潰瘍やびらんができる病気です。
日本では20代の若者に発症することが多いのですが、
近年は40~60代で発症する人も増加してきていて、
患者数は16万人以上と言われています。
潰瘍性大腸炎の主な症状は、
下痢や腹痛、血便や粘血便などになりますが、
悪化して症状が進行すると、
発熱や貧血、体重減少なども起こります。
潰瘍性大腸炎はただの下痢と思われるなど、
周囲からの理解を得られにくい病気ですが、
患者さん本人は日常生活を送ることすら困難になるほどの病気ですので
周囲の理解と協力が必要になります。
潰瘍性大腸炎の治療法
潰瘍性大腸炎の原因はまだ解明されていませんが、
免疫機能が正常に作用しない自己免疫反応の異常に加えて、
食生活の変化、腸内細菌叢などが複雑に絡み合って
発症していると考えられています。
原因は解明されていませんが、
潰瘍性大腸炎の治療はある程度確立されています。
軽症の場合は食事療法を行います。
潰瘍性大腸炎の場合の食事は、高タンパクで高カロリー、
低脂肪、低繊維が基本になります。
大腸に負担をかけないことが基本ですね。
ですから、香辛料やカレー、牛肉、チョコレートなどは
避けたほうが良いとされています。
そして、中等症以上になると、
サリチル酸製剤やステロイドなどを使った薬物療法を行います。
それでも治らなかったり、回復と悪化を繰り返す場合は、
腸を切除する外科的療法を行うことになります。
潰瘍性大腸炎にまさかの新治療法が?
難病である潰瘍性大腸炎にの新治療法が注目されています。
潰瘍性大腸炎の新しい治療法とは、
健康な人の便を潰瘍性大腸炎の人に移植する方法です。
この治療法を便移植療法(FMT)と呼んでいます。
潰瘍性大腸炎の患者さんは健康な人に比べて、
腸内細菌の種類が少なく、またバランスが悪いことから、
健康な人の便を移植して、腸内細菌のバランスを整えてあげることで、
潰瘍性大腸炎の症状を緩和させて治療するのです。
「便を移植する」というと、
少し抵抗がある人もいるかもしれませんが、
腸内細菌を移植すると考えれば、別に抵抗はありませんよね。
もちろん、実際も生理食塩水で溶かして、
フィルターで濾すなどの処理をしてから移植しますので
安心してください。
この便移植療法を行っている順天堂大学によると、
現在は75%程度の確率で症状が改善しているとのことです。
現在は臨床研究の段階ですが、
将来は潰瘍性大腸炎の治療法と言えば、
便移植療法になるのかもしれませんね!