イメージ画像

2014年度から配布が決まった「女性手帳」。その目的と問題点を知ろう。




女性手帳って何?

130604-3

政府は、2014年度から地方自治体を通じて、
「女性手帳」を配布する方針を決めましたが、
この「女性手帳」って何でしょう?

女性手帳とは、女性を対象に身体のメカニズムや
将来設計について啓発することを目的としていて、
10代から配布する方向で調整が進んでいます。

この女性手帳を導入する目的は、少子化対策です。

2011年の合計特殊出生率(ひとりの女性が生涯に出産する
子供の推計値)は、1.39人です。

出生数は、105万698人と過去最少を記録しています。

このような少子化の流れを食い止めるため、
早い時期に妊娠・出産について正しい知識を身につけてもらうこと
を目的として、女性手帳が配布されることになりました。

女性手帳導入の背景

cont14-2

少子化対策のために女性手帳を導入するというのは、
ちょっと違和感を感じるかもしれません。

でも、日本産婦人科学会の調査を見れば、納得できると思います。

日本産婦人科学会の2008年の調査によると、
不妊治療を受けるのは30代後半の人が多いそうです。

特に40歳目前の38~39歳の女性が多いとか。

確かに40代になっても、妊娠・出産することは理論上可能ですが、
35歳を境に自然妊娠率は下がり始め、逆に流産やダウン症など
染色体異常のリスクは上がります。

最近は、有名人で高齢出産をしている人が多いですので、
40代になっても出産できるだろうと安易に考えている人がいますが、
実際は高齢のために、不妊治療を受けても妊娠できなかった
という人が増えているのです。

女性手帳への反対の声

130604-4

この女性手帳導入が決まったことに対して、
反対意見ももちろんあります。

最も多い反対意見は、少子化の原因は育児に費用がかかり、
経済的な不安が大きいからであり、女性手帳を配っても
意味がないというものです。

女性手帳を作る費用を、育児助成金に回すべき
という声があがっています。

また、「女性に何でも押しつけ過ぎ」や
「女性は子供を産むことが全てではない」といった
女性のライフスタイル視点での意見もあります。

女性の人生設計を広げる女性手帳

cont35-10

日本では晩婚化が進んでいますので、出産年齢も
上がってきていますが、医学的には25~35歳前後が
妊娠・出産の適齢期とされています。

女性手帳でも、30代半ばまでの妊娠・出産を推奨していて、
結婚や出産を人生設計の中に組み込むことが重要だ
提唱しています。

確かに、少子化の一番大きな原因は経済的なものでしょう。

ただ、この女性手帳の導入で、
「不妊治療開始の時期が遅れたことが原因で子供を授かれなかった」
という事態は少なくなります。

また、妊娠・出産は働く女性のキャリアアップに大きな影響を
及ぼしますので、10代の頃から妊娠・出産の適齢期を
意識しておくことで、人生設計の幅が広がり、
「キャリアアップもしたいけど、子供もほしい」という女性にとっては、
女性手帳は有益なものになるでしょう。





タグ



2013年6月4日 | カテゴリー:不妊症 子育て

あわせて読みたい関連記事