アンゴラで恐ろしい黄熱病が流行中。黄熱病について知りましょう。
黄熱病がアフリカ南部で流行中
黄熱病という感染症を聞いたことがありますか?
名前だけは耳にしたことがある人が多いと思います。
医学博士の野口英世氏が亡くなった原因として
知っている人もいるかもしれませんね。
その黄熱病がアフリカ南部のアンゴラという国で流行しています。
WHO(世界保健機関)の発表によると、
2015年12月以降アンゴラでは、
黄熱病により少なくとも146人の犠牲者が
出ているとのことです。
現在のところ、アンゴラ全域で流行しているわけではなく、
大半の被害はアンゴラの首都ルアンダで発生しているとのことですが、
WHOの感染症流行の専門家は、今回のアンゴラでの黄熱病の流行は
「大規模な流行」と位置づけています。
黄熱病とはどんな病気?
では、アンゴラで大規模な流行となっている黄熱病とは、
一体どんな感染症なのでしょう?
黄熱病は黄熱ウイルスを病原体とする感染症で、
ネッタイシマカなどの蚊が媒介して感染が広がります。
人から人への感染はありません。
3~6日の潜伏期間の後に、突然の発熱や頭痛、
背部痛、嘔吐などが起こって発症します。
軽症の場合は、3~4日で症状が軽快して回復するのですが、
重症化すると、腎障害や下血、黄疸などの症状が現れ、
死に至ることも多い感染症です。
黄熱病の致死率は30~50%とされていて、致死率が非常に高く、
もっとも恐ろしい感染症の1つとされています。
黄熱病の予防法
黄熱病は致死率が非常に高い恐ろしい感染症ですが、
現在のところ黄熱病に効果がある特効薬は開発されていません。
そのため、黄熱病の治療は、基本的に対症療法のみとなります。
ただ、黄熱病を予防することはできます。
黄熱病の予防方法は、生ワクチンを接種することです。
ただ、生ワクチンは副作用のリスクがやや高く、
重篤な副作用が起こる場合もあります。
それでも、致死率30~50%という脅威的な数字を考えると、
ワクチン接種をしたほうがメリットが大きいため、
黄熱病の流行地域に入国する場合は
ワクチン接種が義務付けられています。
リオデジャネイロオリンピックが開催されるブラジルも、
黄熱病への感染リスクがある国です。
入国にあたって、
ワクチン接種が義務付けられているわけではありませんが、
入国にはワクチン接種が推奨されています。
また、アフリカや南アメリカなどの流行地域に渡航する際は、
蚊に刺されないように長袖長ズボンを着用し、
虫除け剤を使うなどの対策を徹底するようにしましょう。
中国では現在流行しているアンゴラからの帰国者が
中国帰国後に黄熱病を発症して
重篤化しているというニュースがあります。
輸入感染症であり、
中国国内で感染が広がる可能性はほぼゼロですが、
今後は地球温暖化の影響で
黄熱病の危険地域が広がる可能性がありますので、
正しい知識を持ってきちんと予防するようにしましょうね。