社交不安障害(SAD)って何?社交不安障害について知りましょう。
社交不安障害(SAD)とはどんな病気?
社交不安障害(SAD)という病気を聞いたことがあるでしょうか?
社交不安障害は精神疾患の一種で、
決して珍しい疾患ではありません。
アメリカではうつ病やアルコール依存症の次に患者数が多い疾患で、
人口の5~7%がこの社交不安障害を持っていて、
患者数は1500万人にも上ると推測されているんです。
社交不安障害は人前に出ると異常に緊張してしまい、
失敗しないか、
周囲の人から悪い評価を受けないかという不安を持ったり、
注目を浴びてしまうことへの恐怖を持ち、
動悸や下痢、発汗、震え、息苦しさ、
腹痛などの症状が出ます。
この社会不安障害の人は、
家族や仲の良い友人と一緒にいる場合は
このような症状が出ないのですが、馴染みのない人の前に出たり、
知らない人に囲まれたりすると、この症状が出てしまいますので、
社会生活を送るのが困難になってしまうのです。
社交不安障害とあがり症の違い
社交不安障害は馴染みのない人の前に出ると緊張したり、
不安を持ってしまう病気です。
「人前に出る事での緊張や不安」という症状は、
あがり症と同じようなものですよね。
あがり症の人は、
人前に出ると緊張や不安で上手く話せなくなったり、
発汗したり、赤面したりします。
でも、社交不安障害とあがり症は違うんです。
社交不安障害は精神疾患ですが、
あがり症は厳密には病気とは言えません。
では、社交不安障害とあがり症はどこが違うのでしょうか?
あがり症の身体的な症状は赤面や発汗など
生活には大きな影響がないものですが、
社交不安障害の場合は動悸や震え、
息苦しさ、下痢、腹痛などの身体的な症状が強く出て、
日常生活を送るのが困難になることがあるのです。
また、あがり症は緊張する場面が終われば
スッキリと回復しますが、
社交不安障害は緊張する場面が終わった後も
「また同じようなことが起こるのではないか」
という不安を常に持ち、そのような場面を回避するため、
社会生活を送れなくなることもあるのです。
社交不安障害の治療
社交不安障害は社会生活を送ることが
難しくなるケースもありますが、
専門的な治療をすることで、その症状が軽減することもあります。
社交不安障害に効果がある治療法は認知行動療法です。
認知行動療法とは、
認知に働きかけて気持ちを楽にする治療法で、
地に足のついた現実的な考え方で、
悲観的にも楽観的にもなりすぎずに
現在抱えている問題と向き合って、
上手に対処していけるように導くものです。
社交不安障害の治療は薬物療法を行う場合もありますが、
特に子供や若年層への治療の場合は、
薬物療法はあまり推奨されていません。
もし、「私は社交不安障害かもしれない」と感じている人は、
「ただのあがり症だったら恥ずかしいな」という気持ちを持たずに、
とりあえず心療内科や精神科を受診してみてはいかがでしょうか?
認知行動療法など適切な治療を受ければ、
人前に出ると極度の不安を感じるなど
現在抱えている悩みを解決することができるかもしれません。