大学病院の初・再診料が値上げになった理由とは?かかりつけ医の重要性を理解しよう。
大学病院の初診料・再診料の値上げ
今年の4月から、大学病院の初診料や再診料が
値上げされたことを知っていますか?
従来は、初診料は全国どこの病院でも一律で2700円で、
再診料(外来診療料)は690~700円でした。
健康保険が適用されるため、
通常はこの料金の3割(初診料が810円、再診料が210円)
を支払うことになります。
しかし、今年の4月から大学病院や国立病院機構では、
患者が支払うの自己負担部分が増えて初診料が1300円、
再診料が340円となります。
これは、大学病院の収入が増えるわけではありません。
病院側の収入は、従来どおり初診料が2700円、
再診料が810円と変わりません。
ただ、患者側の自己負担分が増えるだけです。
なぜ大学病院だけが値上げされたのか?
値上げされたのは、大学病院や国立病院機構などの
大病院だけで、クリニックや小さな病院は今までどおりの
自己負担金になります。
なぜ、大学病院だけが値上げされることになったのでしょう?
大学病院は、最先端医療を行っていて、緊急性が高く、
重症な患者さんの治療を行うことができます。
たくさんある病院の中で、
大学病院は高度で専門的な医療を行う役割があるのです。
クリニックなどで治療できる軽症の患者が、
大学病院を受診してしまうと、医師の負担は大きくなりますし
大学病院ではないと治療できない患者の治療が
滞る原因にもなります。
病院の役割分担、機能分化を進めるために、
大学病院の初診料・再診料を値上げしたのです。
かかりつけ医の重要性
近年、病院の役割分担を進めていくためにも、
かかりつけ医の重要性が提唱されています。
かかりつけ医とは、慢性的な病気など日常的な診療を行い、
生活状況や既往歴を把握していて、
健康管理なども行う医師のことです。
慢性的な病気だけでなく「何か病気かもしれない」と思った時に
相談・受診することができるため、最も身近な医師とも
言えるでしょう。
通常、このかかりつけ医は、
地域のクリニックや個人病院が担っています。
大学病院は、診察までの待ち時間が長い傾向にありますが、
クリニックの場合は比較的待ち時間は短いですし、
クリニックや個人病院では対応できない病気だった場合は
かかりつけ医から大学病院などへ紹介状を書き、
専門医を紹介してくれます。
自宅から近い場所にかかりつけ医を持つことで、
風邪や下痢などの軽い症状の病気や生活習慣病等の
慢性的な病気でも気軽に受診することができますし、
かかりつけ医は大学病院や総合病院への紹介や架け橋にも
なってくれます。
かかりつけ医を持つことは、病院の役割分担や機能分化を
促進するだけでなく、自分自身の健康を守るためにも
重要なことと言えるでしょう。