昔特有の病気じゃない!「結核」は現在も感染する恐れがある病気です
結核は昔の病気じゃない!
結核というと、江戸時代や明治時代など
戦前までの病気というイメージがあると思います。
新選組の沖田総司が結核で命を落としたことは有名ですし
明治時代は国民病とも言われるほど結核が流行していて、
陸奥宗光や正岡子規、石川啄木なども結核で死亡しています。
確かに現代は戦前と比べると患者数は激減していますが
2011年の結核新規登録者数は、
22681人と2万人以上にものぼっています。
東京都にある精神科病院では、2010年5月から
3年間のうちに患者と職員合わせて計62人が結核に感染し
6人が発症、2人が死亡していたというニュースもありました。
結核は、患者数自体は徐々に減ってきてはいますが、
「昔の病気」ではなく、
現在も感染する恐れがある病気なのです。
結核ってどんな病気?
結核は、結核菌によって引き起こされる病気です。
一般的に肺結核が有名ですが、リンパ組織や中枢神経
骨や関節などにも感染します。
結核の怖いところは、空気感染するところです。
インフルエンザなどは、飛沫感染ですので、
感染者の咳やくしゃみなどに含まれたウイルスを
吸い込むことで感染しますよね。
そのため、感染者から1~2m離れていれば、
感染することはありません。
でも、空気感染の場合は、感染者からも排出された菌は
地面に落ちた後も、空気中を漂っていますので、
多くの人が感染するリスクが高いのです。
結核の治療法は?
戦前は、結核に有効な治療法が確立されておらず、
「不治の病」と言われてきましたが、
現在は結核に有効な抗生物質が開発されていますので、
「完治可能な病気」になっています。
基本的な結核の治療法は、服薬です。
1種類のみの服薬や飲み忘れがあると、
耐性菌ができてしまう恐れがあるため4種類の抗生物質を服用し
DOTS療法(飲み忘れを防ぐため、医療職者が服薬を直接確認する)
を行うことが多くなっています。
6~9ヶ月間の服薬をしっかり行った場合、
再発率は5%と以下と非常に低いものになっています。
新しい治療法の発見?
現在のところ、
4種類の薬剤を使用し、飲み忘れなどをなくした場合、
結核は治すことのできる病気になっています。
しかし、治療を途中でやめたり、薬剤の飲み忘れなどがあると
今までの薬剤が効かない耐性菌が作られてしまい、
治療が困難になります。
このような問題がある中、
アメリカのアルバート・アインシュタイン医科大学の研究チームが
ビタミンCに結核菌の殺傷効果があると発表しました。
しかも、抗生物質に耐性のある結核菌にも効果があり、
ビタミンCへの耐性は作られることはなかったそうです。
これは、すごい発見ですよね。
ビタミンCは安価ですし、
抗生物質に比べて体への負担も少なく、
耐性菌にも効果があり、耐性も作られないのですから。
この研究結果を元に、
結核の新たな治療法が確立されるかもしれません。