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実は現在でも結核中蔓延国の日本。日本で結核が減らない理由は何?




日本は結核流行国?

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結核というと、「昔流行った病気」、
「自分はかかる可能性がない病気」、
というイメージがあるかもしれません。

確かに、結核は戦前は不治の病とされていましたし、
戦中や終戦直後は「亡国病」とも言われていました。

でも、21世紀の現在でも
日本で結核にかかるリスクは十分にあるんです。

世界的に見ても、日本は結核のリスクが高いとされています。

WHOの分類でも、日本は「結核中蔓延国」になっているんです。

結核対策の先進国であるアメリカの状況と比べてみましょう。

アメリカの結核罹患率は10万人当たり5人、
有病率は3人、死亡率は1人以下となっています。

それに対し、日本は10万人あたりの結核罹患率は28人、
有病率は38人、死亡率は4人なんです。

この数字を見ると、アメリカと比べて
いかに日本が結核のリスクが高いかがわかると思います。

日本では年間3万人が結核に感染し、
2000人以上が死亡しているとされています。

そのため、誰でも結核に感染するリスクを持っているんです。

結核が減らない理由は?

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日本は世界の中でも医療レベルはトップクラスですし、
国民皆保険制度がありますので、
誰でも気軽に医療機関を受診することができ、
医療費の経済的負担も外国と比べて少なくて済みます。

そして、先進国の中でも清潔な国とされています。

それなのに、なぜ結核に感染する人が減らないのでしょうか?

それは、高齢化が進んでいることが理由の1つです。

結核予防会結核研究所のデータによると、
平成25年は結核患者の64.5%が65歳以上で、
21.1%が85歳以上でした。

結核は感染しても全員がすぐに発病するわけではありません。

感染しても、身体の免疫力が結核菌に勝っていれば、
発病することはないんです。

でも、結核菌は体内に潜み続けます。

そして、高齢になり免疫力が落ちてきた時に発病するというわけです。

特に、今の高齢者は
結核が流行していた戦中戦後を過ごしている世代ですので、
その頃に結核に感染していた人が多くなっています。

そして、高齢になった今、
結核を発病する人が増えているというわけです。

だから、日本では結核患者が減らないんですね。

日本は結核が流行しやすい環境

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日本で結核が減らない理由の2つ目が都市化が進んでいることです。

厚生労働省のデータによると、
結核患者の割合が多いのは大阪府や東京都、兵庫県などで、
逆に少ないのは山梨県や長野県、北海道などとなっています。

人口が多い都市部では、
空気感染する結核の感染が広がりやすいということです。

日本は国土が狭いですが、人口は多いですので、
アメリカやほかの国に比べて人口密度が高くなっています。

高齢化が進んでいることと人口密度が高いこと、
この2つの理由があるから、日本では結核が減らないんですね。

結核を予防するためには、1人1人が結核に関心を持ち、
正しい知識を身につける必要があります。

結核は過去の病気ではないことを知って、
結核対策に取り組んでいきましょう。





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2015年4月10日 | カテゴリー:健康全般 感染症

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