新たな肝臓がんの原因が判明?肝臓がんの原因と予防対策を知りましょう
肝臓がんの主な原因とは
肝臓は、糖や脂質、たんぱく質、
アルコール類の代謝や体温の維持、造血機能、
解毒など様々な役割を担っていて、
人間が生きていくうえで必要不可欠な臓器のひとつです。
このような重要な機能を持つ肝臓にも、
がん細胞は発生します。
肝臓がんの原因は、主に4つに分けられます。
1つ目が、C型肝炎からの移行です。
C型肝炎が原因の肝臓がんは、
全体の70~80%を占めています。
C型肝炎のほとんどが肝硬変となり、
その後肝臓がんを発症します。
C型肝炎の患者は、日本に150~200万人いると
言われていますが、発がん率は、年7~8%です。
2つ目が、B型肝炎です。
B型肝炎が原因の割合は10~20%で、
慢性肝炎や肝硬変から肝臓がんに移行します。
3つ目が、アルコール性肝障害です。
過剰飲酒が原因で、肝硬変を発症し、
その後肝がんへと移行するケースです。
4つ目が、ほかの臓器からの転移です。
胃がんや大腸がんから転移するケースが多いようです。
新たな肝臓がんの原因は肥満?
従来、肝臓がんの原因は、上記4種類と言われてきましたが
がん研究所の研究によると、肥満が原因で肝臓がんを
発症する可能性があることがわかりました。
研究によると、
発がん性のある物質を低濃度でマウスに塗ると、
肥満させたマウスは肝臓がんを発症しましたが、
肥満させなかったマウスはがんを発症しなかったそうです。
このメカニズムは、肥満によって腸内細菌が変化し、
細菌が作り出した酸が肝臓に移行して、
肝臓がんを発症させたと見られています。
人間でも肥満の人は、健康な人と比べて
腸内細菌が変化することがわかっていますので、
研究者は「人間でも肥満が原因で肝臓がんを
発症する可能性がある」と述べています。
肝臓がんを予防するために
肝臓は何か病変があっても、なかなか自覚症状が出ず、
自分で気づいた時には症状が悪化していることが多いため
「沈黙の臓器」と呼ばれています。
自分で体の異変に気づいた時には、
肝臓がんが進行している可能性が高いため、
日頃の予防対策が必要となります。
肝臓がんの原因で最も割合の高いC型肝炎は、
輸血などが原因で感染しますが、
現在では検査体制が整っているため、
日本では新たな感染はほとんどありません。
B型肝炎は、性行為や母子感染が原因です。
性行為は、コンドームの着用で予防することができますし
母子感染予防は出生時に免疫グロブリンや
ワクチン投与を行っています。
またアルコール性肝炎や肥満からの肝臓がんは、
生活習慣の改善で予防することができます。
健康的で栄養のバランスの良い食事を取り、
適度な運動を心がけ、
過度な飲酒は控えることで肝臓がんだけでなく、
その他の生活習慣病も予防可能です。
全ての肝臓がんを予防できるわけではありませんが、
日常的に注意していれば、
肝臓がんの発症リスクは低下させることができます。
C型肝炎以外の肝臓がんは、予防が可能ですので、
積極的に予防対策を実践していきましょう。