ペットからサルモネラ菌に感染?サルモネラ症とその予防法を知りましょう。
ペットの亀から食中毒
サルモネラ菌が原因の食中毒というと、
しっかりと加熱処理されていない鶏肉や卵から感染する
というイメージがありますが、ペットの亀からも
感染する可能性があると知っていますか?
厚生労働省によると、アメリカで2011年5月から現在までで
ペットの亀が原因とみられるサルモネラ症の
集団発生が8件(患者数391人)起こっていて、
患者の70%が発症前に亀と接触があったことが
確認されているそうです。
このことを受けて、厚生労働省は
ペットとして飼われているミドリガメなど
爬虫類の取り扱いについて注意を喚起するよう
都道府県などに要請しました。
もともと亀などの爬虫類は、
50~90%がサルモネラ菌を持っているそうですよ。
ヘビやトカゲなど亀以外の爬虫類を飼っている人も、
サルモネラ菌に感染しないように
注意しなければいけませんね。
サルモネラ症とは
サルモネラ症とは、
サルモネラ菌に汚染された食品を口にする等が原因で、
サルモネラ菌が胃腸に入り、
引き起こされる感染症のことです。
潜伏期間は12~48時間で、
下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの症状が現れる
急性胃腸炎を発症します。
症状が軽症の場合は、整腸剤や点滴での水分補給などの
対症療法が行われますが、重症になると入院して
抗生剤の投与などの治療が行われます。
成人が発症した場合は、軽症で済むことが多いのですが、
新生児や乳児、高齢者は抵抗力が弱いため、
菌血症や敗血症、髄膜炎などを合併し、
重症化して死亡するケースもありますので、
注意しなければいけません。
サルモネラ菌は、血清型別に約2500種に分けられ、
食中毒を起こす「エンテリティディス」という種類のほかに
腸チフスやパラチフスを起こす種類もあります。
サルモネラ菌による食中毒は、食品衛生法に基づき、
診断後24時間以内に保健所に届ける必要がありますし、
腸チフスやパラチフスは2類感染症ですので、
こちらも保健所に届けなければいけません。
サルモネラ症を予防するためには
ペットの爬虫類からのサルモネラ菌感染を防ぐために、
厚生労働省は
「亀などを触った後は石鹸を使って十分に手洗い」
「飼育水には糞便と共に排泄された菌が
多量に含まれている可能性があるため、
排水で周囲が汚染されないように注意」
「子供や高齢者、
免疫機能が低下した人がいる家庭では飼育を控える」
の3つを呼びかけています。
その他、サルモネラ菌全般の予防法としては、
一般的な食中毒予防を行いましょう。
食中毒予防は、
「つけない(清潔)、
増やさない(低温保存)、
殺す(加熱殺菌)」の3原則です。
「つけない」は、
手洗いだけでなく調理器具の清潔を保ちましょう。
「増やさない」は
食材を買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れて保存し、
菌の繁殖を防ぐ必要があります。
また「増やさない」は、サルモネラ菌は熱に弱く、
食材の中心部を75℃で1分以上加熱すれば、
サルモネラ菌は死滅します。
爬虫類のペットを飼っている人は、
サルモネラ菌に感染する危険があることを意識して、
サルモネラ菌の感染予防に努めましょう。