20~30代で卵巣機能がストップする早発閉経という病気をご存知ですか?
早発閉経患者も妊娠可能に?
聖マリアンナ医大などの日米チームが、
妊娠が難しいとされる「早発閉経」の患者から卵巣を摘出し、
その中の細胞を卵子に成熟させる方法で、
日本人の患者1名が世界で始めて出産したと発表しました。
研究チームは、早発閉経患者の卵巣を
腹腔鏡手術で取り出して冷凍保存をした後、
卵巣から卵子を培養して、体外受精(顕微授精)を行い、
患者本人の子宮に戻したところ、3人中2人が妊娠、
そのうち1人が出産したとのことです。
現在のところ、出産した女性の胎盤や赤ちゃんに
異常は見つかっていないそうです。
この臨床研究は、早発閉経患者が妊娠する可能性を示す
治療法として注目されています。
早発閉経とは?
通常の場合、50歳前後で閉経する女性が多いのですが、
早発閉経は40歳未満(20~30代)で
閉経してしまうことを言います。
早発閉経は、卵巣の機能が消失してしまった状態です。
無月経は、卵巣機能が休止していて、
今後回復する可能性がありますが、
早発閉経の場合は「卵巣機能が消失」していますので、
治療を行わないと卵巣機能の回復見込みはありません。
早発閉経の原因は様々で、
遺伝性(ターナー症候群や染色体異常など)や
自己免疫性疾患(アジソン病や甲状腺機能低下症など)、
医原性(卵巣の手術や化学療法、放射線療法の影響)などの
原因がわかっているケースは、
全体のわずか10~20%程度しかなく、
原因不明である場合がほとんどです。
最近は、無理なダイエットや過剰なストレス、
慢性的な疲労、喫煙習慣なども
早発閉経と関係しているのではないかと言われています。
40歳未満で6ヶ月以上無月経の状態が続き、
血液検査を行い、エストロゲン値が低く、
ゴナドトロピン(FSH)が基準値より高ければ、
早発月経と診断されます。
早発月経の治療は、
基本的にホルモン補充療法になります。
妊娠を希望する場合は、
黄体ホルモンやエストロゲンを補充したり、
排卵誘発剤を使用しますが、妊娠を希望しない場合は、
通常の更年期障害の治療と同じような
ホルモン補充療法を行います。
早発閉経を予防するには
早発閉経の予防は、遺伝性や医原性、
自己免疫疾患などが原因の場合もありますので、
100%予防することはできませんが、
生活習慣を見直すことで、
早発閉経のリスクを下げることは可能です。
上記で述べたように、過度のダイエットや過剰なストレス
慢性的な疲労、喫煙習慣は早発閉経の原因と
言われていますので、
ダイエットをするなら健康的に長期間で
ゆっくり体重を落とすようにすること、
ストレスを溜め込まず、急速をしっかりとること、
喫煙している人は禁煙することを心がけましょう。
また、規則正しい生活を送り、運動習慣を身につけ、
バランスの良い健康的な食事を取ることで、
女性ホルモンの分泌を活性化させ、
卵巣機能を向上させます。
最近は、早発閉経ではなくても
若年性更年期障害に悩む女性も増えていますので、
健康的な生活を送って、
ホルモンバランスを整えるようにしましょう。