マラリアの流行地域は熱帯地方だけではありません!海外旅行に行くときは、マラリアに注意しましょう
北朝鮮でマラリア患者が増加
マラリアというと、アフリカや東南アジアなど
暑い熱帯の地域で流行する病気というイメージが
ありますよね。
でも、北朝鮮でマラリア患者が増加しているんです。
12月11日に、WHO(世界保健機関)が
マラリアに関する報告を発表しましたが、
2012年に北朝鮮でマラリアにかかった人は2万1800人で
前の年より5000人余り増えたことがわかりました。
北朝鮮というと、
日本より寒い国という印象がありませんか?
近年は、アフリカや東南アジアでも
予防対策が徹底して行われているため、
マラリア患者数は減少傾向にありますが、
冷涼な北朝鮮でマラリア患者が増加しているのは、
ちょっと異常に思えますよね。
北朝鮮でマラリア患者が増加している原因には、
公衆衛生対策が積極的に行われていないためと
考えられています。
この北朝鮮でのマラリア患者増加は、お隣の国、
韓国にも影響しています。
韓国の土着マラリアは根絶されていますが、
1993年には北朝鮮との軍事境界線付近で
マラリアの感染者が確認されました。
このマラリアは北朝鮮から軍事境界線を越えて
やってきたものと考えられていて、
現在は北朝鮮からのマラリアが韓国にも定着しつつあり、
2007年の韓国での感染者は24000人以上に上っています。
マラリアってどんな病気?
マラリアは、マラリア原虫を持っている蚊(ハマダラカ)に
刺されることで感染します。
マラリアの潜伏期間は2週間~1ヶ月と長く、
発症すると40度近い高熱、悪寒、筋肉痛、
倦怠感などの症状が現れ、重症になると痙攣や呼吸困難、
意識消失などを引き起こします。
マラリアには3日熱マラリア、4日熱マラリア、
卵形マラリア、熱帯熱マラリアの4種類がありますが、
3日熱マラリアと卵形マラリアは48時間毎、
4日熱マラリアは72時間毎、
熱帯熱マラリアは24時間毎に発熱と解熱を繰り返すという
特徴があり、熱帯熱マラリアが最も重篤化しやすく危険です。
マラリアの予防策と治療法
年末年始に海外旅行で東南アジアやインドなど
マラリアの流行地域に行く人も多いと思います。
旅行中にハマダラカに刺されて、
マラリアを発症しないためにも、
マラリアの予防策と治療法を知っておきましょう。
マラリアに効果のあるワクチンは
現時点では開発されておらず、最も効果のある予防策は、
蚊に刺されないように注意することです。
マラリア原虫を持っているハマダラカは、
夜間に活発に活動しますので、
夜間に外出するときは肌の露出を控え、
長袖長ズボンを着用すると良いでしょう。
マラリアの治療薬には、
一部予防薬として使えるものもありますが、
重い副作用が出ることがありますので、
短期旅行での使用は推奨されていません。
マラリアの治療法は、抗マラリア薬の服用です。
マラリアは発熱と解熱を繰り返すという特徴がありますが、
一度解熱したからといって、医療機関を受診せず、
適切な治療を受けないと
重篤化して死にいたることもありますので、
マラリアの流行地域から帰国後に高熱が出た場合は、
すぐに医療機関を受診するようにしましょう。