精神的なストレスなどが原因で起こる「過敏性腸症候群」。その治療と予防法とは?
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは、特に原因がないにもかかわらず、
便秘や下痢の便通異常と腹痛やお腹が張るなどの症状が
続くことを言います。
過敏性腸症候群の症状は、慢性の下痢が続く下痢型、
便意があっても便がでにくい便秘型、
その2つを交互に繰り返す下痢便秘交代型の
3つに分類されます。
下痢型は、腸のぜん動運動が活発になってしまい、
腸の内容物が急速に押し出されてしまうことから起こる
と考えられており、
便は粘液が混ざることがあっても血便になることはなく、
下痢を繰り返しても体重が減ることもありません。
便秘型は、下痢型とは逆で、腸のぜん動運動が低下し、
大腸のS状結腸というところが異常に収縮してしまい、
便をせき止めてしまうため、
コロコロした便や細い便しか出ない状態になると
言われています。
下痢便秘交代型は、
上記2つの型が交互に起こるものです。
過敏性腸症候群の原因
過敏性腸症候群の原因は、色々なものがありますが、
その中でも、腸と脳の関係により起こる部分が
大きいと考えられています。
脳がストレスを感じることにより、
自律神経を介してそれが腸に伝わり、
便通異常を引き起こします。
その腸の状態が再び脳に伝わると、
それがまたストレスとなり、
腸に伝わるという悪循環が起こってしまい、
便通異常を繰り返すのです。
過敏性腸症候群は腸が非常に過敏になっているため、
ほんのすこしの腹痛でも敏感にキャッチし、
脳に伝達をしてしまうのです。
過敏性腸症候群の治療と予防
過敏性腸症候群は、精神的なストレスなどが原因で
起こっていることがほとんどなので、
まずはそのストレス要因を排除することが
治す上での一番の近道になります。
薬物療法もありますが、
基本的に整腸剤や消化管機能調整剤といったもので、
腸の調子を整えていく方法が多くとられます。
下痢がひどい場合は下痢止め、
便秘がひどい場合は便を柔らかくしたりする薬や
下剤が処方される場合もあります。
また、精神状況によっては、
抗うつ剤や抗不安薬などを使う場合があったり、
最近では男性患者のみ使える下痢を起こさないようにできる
薬も出てきています。
しかし、過敏性腸症候群は
薬を飲んだからすぐ治るといったものではないため、
根気よく続けていって、1ヶ月から数ヶ月して
やっとよくなってきたと実感できるような長期戦になります。
また、同時に生活の改善も行っていくとよいでしょう。
アルコールなどの摂取は避け、
暴飲暴食などもしないようにして、
腸に負担をかけないようにするほか、
疲れやストレスをためこみすぎないよう、
しっかりと睡眠をとって、規則正しい生活をして、
体に負担をかけないようにすることも大切です。